Skoop On Somebody

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Skoop On Somebody

SKOOPからSOS、究極のベスト・アルバムとLIVE DVDがついに同時リリース!
ヴォーカル、キーボード、ドラムスという特異な編成が織り成すラヴ・ソング群で、
SOSパラダイスへのチケットをゲッツ!

(初出『Groovin'』2003年6月25日号)

Skoop On Somebody-A.jpg 2002年の冬、CHEMISTRYがリリースした限定シングル「My Gift to You」を聴いた時、この数年来僕が聴いた日本人のバラード楽曲の中で、最も素晴らしい曲だと感じた。そして興味はこの名曲を生んだのは誰かということに移ったが、それがSKOOPから2000年に改名するまでの6年間の歴史を1枚にパッケージした初のシングル・コレクションをリリースする、Skoop On Somebodyであった。彼らは一般的には、ソウル・ミュージックやR&B、ゴスペルなどのブラック・ミュージックをルーツに持ったグループだという認知のされ方だと思うが、僕が感じるのは少し違う。それはアース・ウインド&ファイアーとデヴィッド・フォスター、ディオンヌ・ワーウィックとビージ−スのバリー・ギブ、ルーファス&チャカ・カーンとラス・タイトルマンというような、数々の名盤を生み出した黒人アーティスト+白人プロデュ−サーの関係が、彼らの音楽の源流に脈打っているのではないかと感じているからだ。それは、プロデュースする黒人アーティストに対するリスペクトと、ブラック・ミュージシャンによくみられる「今流行りのサウンド」を単純に追いかけてアルバムを制作するのではなく、そのアーティストを俯瞰し「今求められているサウンド」を作り出すのに長けていたのだからだと思う。だから自分達のルーツ・ミュージックに忠実なコーラス・ワークやソウル・マナーを表現しつつも、既存のR&B/ソウル・ミュージックに囚われないソング・ライティングやトラック・メイキングが、彼らのサウンドの大きな魅力になっているのだと思う。
 このシングル・コレクションを聴いていると明らかにSKOOP時代とSkoop On Somebody時代では感触が違う。SKOOPの時は、ブラック・コンテンポラリー・ミュージックの日本人の継承者的サウンドを、全面に打ち出した瑞々しい魅力に溢れていた。しかしSkoop On Somebodyになってからは、どちらかというとAOR的なアプローチを取り入れたスタイルに進化して、円熟味たっぷりのセルフ・コンティンド・グループに見事に変貌を遂げたのがはっきり聴いて取れるのが興味深い。メンバーが変わっていないのにもかかわらず、グループ名を変えだけでこんなにもテイストが異なってしまうのも日本のバンドには大変珍しいし、その両方の魅力を感じる事ができるこのシングル・コレクションはまさに「1粒で2度美味しい」優れものだ。そしてライヴ・パフォーマンスに定評がある彼らのライヴ映像を収録したDVDも同時発売される。ヴォーカル、キーボード、ドラムスという他に例を見ない独特の編成から創造される甘美な緊張感は必見だ。

Text by 五味渕雅之(朝霞店)

『Singles 2002〜1997』
Skoop On Somebody-J.jpg




CD
SME Records
SECL-8
発売中
¥2,913(税抜)

SKOOP時代からの6年間の歴史を1枚にパッケージングしたSOS究極のベスト・アルバム。ブラック・ミュージックとAOR的魅力を兼ね備えた、隙のない美しいメロディと織り成すハーモニーが深く心に染み入る。

『Live in Performance "Save Our Souls"』
SkoopOnSomebody-J DVD.jpg




DVD
SME Records
SEBL-2
発売中
¥5,900(税抜)

ヴォーカル、キーボード、ドラムスという独特の編成から繰り出されるライヴ・パフォーマンスと、リハーサル風景、舞台裏の模様までをも収録したLIVE DVD。甘くてスリリングなSOSサウンドの魅力に触れる事のできる映像パッケージ。

【Skoop On Somebody Official Web Sites】http://www.skoop.jp/

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