JAURIM(ジャウリム/紫雨林)

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JAURIM(ジャウリム/紫雨林)

韓国から本格派ロック・バンド、JAURIM(ジャウリム/紫雨林)上陸!!
ダンス系音楽が主流の中に唯一無二のサウンドが響く。
目が離せなくなること間違いなしの要注目バンド!

(初出『Groovin'』2003年6月25日号)

 私が初めて出会ったのはテレビの中の彼らであることは間違いないのだけど、それよりも前に、友達の家で見た韓国版の「yahoo!」の雑誌に彼らが載っていたのね。その時、表紙のYuna(Vo.)の可愛らしさにポッとなったわけ。中の記事でも何ページかに渡って特集されていたので、韓国ではきっと大スターなんだろうな、と思っただけなんだけど。例にもれずハングルは読めないし、形から意味を創造するなんて絶対無理だって、というわけで、初めての出会いはこんな風に終わってしまった。それで、なんで彼らがロック・バンドだと認識できたかというと、アジアの音楽祭を見ていたら偶然出演していたという…YunaとベースのJinmanの顔を妙〜に覚えていたんだよねぇ〜(笑)。
 さて、「紫雨林」と書いて日本では「ジャウリム」と呼びます。または「チャウリム」。いやぁ〜難しい、ニュアンスと文字というのは。で、このバンド名には「赤紫の雨が降る深い深い森」という意味があるらしい。深い森が持つイメージって、「美しさ」とか「恐怖感」といったように、人によって違うものだから、そういった感覚を大切にして欲しいという願いからつけられたんだと思う。でも、それぞれの感覚の中に紫色の雨を降らしてしまおうというんだからすごい。
 さてさて、彼らの簡単な経歴を。Yuna→ヴォーカル、SK→リーダーでギター、Jinman→ベース、Taikun→ドラムの4人で結成されたバンドです。もともと学生バンドとしてSKとJinmanが「C.C.R(チョコ・クリーム・ロールス)」というバンドを組んで、YunaとTaikunが一緒に活動していた。当時同じライヴハウスで活動し、Yunaの歌を聴いたSKとJinmanが衝撃を受け、ソロ・デビューが決まっていたYunaを口説き落とし、原型となる「みにくいアヒル」という意味のバンドが誕生した。その後すぐに紫雨林と改名し、映画主題歌で鮮烈のデビューを飾ったというわけ。
 さてさてさて、次に彼らの音楽のお話を。オルタナ風なロックではあるんだけれど、ちょっぴり違って、地の底をめぐる歌というよりは、地の底の光を歌うといったような、明るい空気を纏っている。企画ユニットやダンス系サウンドで溢れている韓国の音楽界では貴重な宝物とでも言おうか?そんな存在。新鮮で甘酸っぱいヴォーカルに軽快なリズム。聴いた後に耳に残る強烈な残像、匂い立つような鮮烈な印象を残すパフォーマンスもキュート。そんな、目も耳も感情も同時に愛してくれる、いえ、満足させてくれるバンドじゃないかな。
 今夏、日本で発売される事になったのは、昨年発売された4枚目のアルバムに、人気のある楽曲を再レコーディングしたものを加えた日本独自のアルバム。1stシングル「HEY HEY HEY」の再録はかなりうれしいかも。オリジナルよりも艶のあるYunaのヴォーカルも聴き所。以前から紫雨林の歌詞は放送禁止用語も多く含まれているらしいので、歌詞カードと比べてみるのも面白いかな。先行発売となった「HEY GUYZ」がコリアン&ジャパンの2ヴァージョン収録されているのもうれしい。この曲、お祭の掛け声の「ラッセラ・ラッセラ…」って聞こえて、そんな所にムフッとなったりするのね。
 こんな風に、彼らの音楽というのは、「韓国のロック」という遠い存在というより、アジアを超越した世界観を持っていて共感できるところもある、身近な存在だと思える。アジアを代表する大きな魅力を持った最高のバンドだと思うよ。

Text by 有田幸恵(島田駅前店)

『#1(シャープ・ワン)』
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CD
コロムビアミュージックエンタテインメント
COCB-53057
発売中
¥2,800(税抜)

ダンス系音楽が主流な韓国音楽業界の貴重な宝物、JAURIM(ジャウリム/紫雨林)がいよいよ日本で初のアルバムをリリース!選りすぐりな楽曲を再録!広く深い世界観を大切にしつつも独自のカラーを力強く聴かせるROCKは要注目。ヴォーカル、Yunaのキュートな魅力にFan急増!

【JAURIM 公式サイト】http://columbia.jp/~jaurim/

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