MONDO GROSSO

各曲ごとに国内外の超強力アーティストをフィーチャーしつつ、
全てがフロアに対応するマッシヴなトラックを絶妙なインタールードを散りばめながら
1枚のアルバムにまとめあげた、正に"NEXT WAVE"なのモンスター・アルバム!!

（初出『Groovin'』2003年6月25日号）

　日本が世界に誇るクリエーター／プロデューサーにして、日本のクラブ・シーンとPOPシーンを繋ぐ最重要人物、大沢伸一のメイン・プロジェクト"MONDO GROSSO（モンドグロッソ）"の3年振り、5作目となるオリジナル・アルバムが遂にお披露目となる。
　世界25ヶ国で発売された、名盤の誉れ高い前作『MG4』から一転、現在進行形のモードを強烈に反映した、豪華アーティスト達とのコラボレーションによるダンス・オリエンテッドなトラック集に仕上がっている。
　まず、今やミリオン・アーティストの仲間入りとなったBoAをフィーチャーした「EVERYTHING NEEDS LOVE」（t-5）、Dragon AshのKjをフィーチャーした「SHININ'」（t-13）といったスマッシュ・ヒット・シングル。特に「SHININ'」は大沢本人曰く「80年代のネオアコ・サウンドと現代的なビートを絡ませたかった」というように、アコースティックの哀愁感とダンストラック・ビートが微妙な感覚で融合した、今までの大沢伸一にはない、Dragon Ashにもない、そして日本の音楽シーンにもなかった、全く新しいネクスト・レヴェルの音。今作のハイライトではないだろうか。
　他には、「キリン氷結」TV-CFでおなじみだったノリノリのパーティー・チューン「BLAZE IT UP」（t-1）、同CFソングであり、話題のシンガーsaigenjiのスキャットをフィーチャーした「WAITIN' FOR T」（t-3）、COLDFEETのLORI FINE参加のネクスト・レヴェルなハウス・トラック「MOTORMOUTH」（t-2）、KELISのヴォーカルによるビースティー・ボーイズのカヴァー「FIGHT FOR YOUR RIGHT」（t-7）、ハウス界の超大物ARMAND VAN HELDENのラップをフィーチャーした「DANCEFLOOR COMBAT」（t-8）、MONORALのANISのレイドバックなヴォーカルによるアルバム唯一のダウン・テンポ・ナンバー「GRACEFUL WAYS」（t-9）、NYのSUBLIMINAL RECORDSのHARRY ROMEROとのプログレッシヴ・トラック「TORNADO」（t-11）。そして更に、朋友TOWA TEIとのニュー・ウェイヴ・ハウス「NEXT WAVE」（t-10）、アルバムのラストを飾る、「リズム」以来7年振りのUAとのコラボレーションによる唯一の日本語曲「光」（t-14）。
　元々、シンガーやミュージシャンが不在の"プロデューサーズ・ユニット"であるMONDO GROSSOは、各曲ごとに大沢伸一が起用する様々なアーティストとのコラボレーションにより楽曲を完成させる。今作も今までと同じ手法だが、彼の音楽的感度の高さに改めて驚かされる作品に仕上がっている。どの楽曲もクラブでプレイされれば、キラキラと光るミラーボールの下で満員のオーディエンス全員がきっと盛り上がるであろう必殺のクラブ・アンセム揃い。超豪華アーティスト多数参加のクラバー御用達の1枚だ。
　音楽というフィールドの中でアーティスト、プロデューサー、リミキサー、DJと多岐に渡って活動するクリエーター、大沢伸一。そんな彼の多面性が僕達の目を引きつけて離さない。

Text by 大林 誠（大仁店）