SOPHIA

ARTIST PICK UP

SOPHIA

彼らの放つ楽曲には、必ずと言っていいほど良い意味で心に引っ掛かる「ひねり」がある…。
椎名林檎、スピッツ等でお馴染みの亀田誠治をプロデューサーに迎えた本作は、
前向きな予感に溢れたSOPHIA一流のメッセージ・ソングだ!

(初出『Groovin'』2003年7月25日号)

SOPHIA-A.jpg

 SOPHIAの放つ楽曲の数々には、必ずと言っていいほど良い意味で心に引っ掛かる「捻り」がある。一瞬意表を突かれるメロディー・ライン、ロックのディープなエッセンスを内包したサウンド…そうした「捻り」が絶妙のタイミングで盛り込まれている楽曲と接するたび、「くうー、やるなあ」という感嘆の念を抱かずにはいられない。不動の人気とシーンにおける確固たるポジションを手中におさめてなお、決して守りに入らず「捻り」を果敢に取り入れるその姿勢は、彼らのオリジナリティーと存在感をより強固なものにしていくばかりだ。
 考えるにその源となっているのは、「表現すること」に対する彼らの自由なマインドなのではないだろうか。バンド単位でのセオリー通りの活動を死守するのではなく、メンバーの個性を最大限に活かすべく新たなフィールドや表現方法に貪欲にチャレンジしていく前向きな精神。ヴォーカル・松岡充が執筆活動や俳優として目覚しい活躍を見せているのも、ベース・黒柳能生がソロ・プロジェクトのためのレーベルを発足させたのも、メンバーそれぞれによる他アーティストへの楽曲提供のニュースをよく耳にするのも、彼らの飽くなきポジティヴィティーの表れに他ならない。そうしたソロとしての活動からもたらされる肥沃な経験値が、とりもなおさず彼らの本流であるSOPHIAの可能性を確実に高めているのである。
 そうして2003年7月、彼らは通算22枚目(!)となるマキシ・シングル『- 僕はここにいる -』を遂に発表した。前作『理由なきNew Days』以来約7ヶ月振りとなる本作は、外部プロデューサーとして椎名林檎やスピッツ等を手掛けている亀田誠治を起用。SOPHIAと亀田誠治、この組み合わせを聞いただけで、なんともゾクゾクしてしまうではないか。
 そのサウンドはというと、案の定「くうー、やるなあ」の連続!全編を彩るシンセの力強いリフといい、一歩一歩前へ進んでいくような、しかしサビでは一気に駆け出していくような印象のリズム隊といい、随所に効かせた心憎いギターのフレーズといい、キャッチーなメロディーを従えつつ、ここぞという時にスッと伸びるヴォーカルといい、どれをとっても新鮮な高揚感に溢れている。それらのパーツが巧みなバランスで散りばめられ、くっきりと晴れ渡った青空のような、清々しい印象を醸し出しているのである。それは、「過去の苦い轍を振り返りつつ未来に立ち向かっていく決意」を描いた歌詞と相まって、武者震いにも似たポジティヴな予感や希望を聴く者にイメージさせる。ある人には励みとなり、またある人には慰めになるであろう本作はいわば、沈んだ心を勇気づけてくれる、SOPHIA一流のメッセージ・ソングなのである。
 数多くの人生が交錯するこの現実の世界で、自分の立ち位置を確認するのは容易なことではない。同じく、自らの人生において自分自身が今何をすべき場所に立っているのか見極めることも。振り返ったときに「結果論」として初めて見えてくるそれらを、今この瞬間にもし悟れたとしたら…。タイトル「- 僕はここにいる -」には、そうした深い意味が込められているように感じた。

Text by 秋野 櫻

『ー僕はここにいるー』
SOPHIA-J.jpg




Maxi Single
トイズファクトリー
TFCC-89078
7月30日発売
¥1,000(税抜)

約7ヶ月振り、通算22枚目となるマキシ・シングル。プロデューサーに椎名林檎やスピッツ等を手掛けている亀田誠治を迎え、疾走感と清々しさに満ちた新鮮なサウンド世界を構築。未来に立ち向かっていく決意を描いた歌詞は共感度大!あらゆる人を勇気づけてくれる、SOPHIA一流の応援歌だ。

【SOPHIA Eternal WEBSITE】http://www.sophia-eternal.com/

inserted by FC2 system