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今年の夏もTUBEがいなけりゃ始まらない!
19年目のBRAND NEW ALBUM『OASIS』は、
より熱く爽やかな楽曲が目一杯詰まった夏の必須アイテムだ。

(初出『Groovin'』2003年7月25日号)

TUBE-A.jpg 20年程の長きに渡って活動を続けてきたバンド/アーティストが音楽的に辿る道筋には、大体のパターンがあるように思う。最初の5、6年で個性を完成させ多くのファンを獲得したのち、新たな方向性を模索し始める。その結果(良い意味で)ファンを裏切った作品をリリースして寿命を延ばす場合もあったり、その試行錯誤がうまくいかず停滞を続ける場合もある。しかしどちらにしてもその果てには、一番ファンの支持を得た絶頂期(初期の場合が多い)の音楽性に回帰する場合が多い。それは誰もがそのバンドの名前を聞いた瞬間に思い浮かべる一般的な音楽的イメージだ。その回帰は「再び商業的な安定を狙う」というミもフタもない理由よりも、「やっぱり俺(達)はこれっきゃないぜ」というクリエイティヴな初期衝動を取り戻そうとする純粋な理由からであることの方が多いと思う。
 しかしTUBEの場合は最初から最後まで音楽的、ヴィジュアル的なイメージは全く変わらない。それについて否定的に語られることが多いが、実はスゴいことなんではないかと思う。「TUBE」という名前を付けてしまった瞬間からビーチ・ボーイズと同じ運命を辿ることが決まってしまった"万年夏向きバンド"。もちろん彼らにしたってそのイメージから脱出するべくもがいた時期も当然あったと思うが、誤解を恐れずにいえば、音楽的変化やイメージの脱皮うんぬんを最初から現在まで表層的には感じさせなかったという感じさえする。それは最初から「俺達はこれっきゃないぜ」というしっかりした音楽的イメージと決意があり、それを20年近く守り続けているという意味でスゴいと思うのだ。
 その決意は、7/16にリリースされたばかりのニュー・アルバム『OASIS』の中でもしっかり受け継がれている。ラテン・テイスト満開な「恋のMagma」や、パーカッションやブロウするサックスが初期のヒット曲を思い起こさせる最高のサマー・チューン「太陽は知っている」などは雄弁にその決意を物語っている。更に今年に入って立ち上げた四季をテーマにした4作連続のシングル・リリース・プロジェクトの第1弾シングル「青いメロディー」や第2弾「Let' go to the sea 〜OASIS〜」も収録し、前者は春という季節を意識したアコースティックな爽やかなナンバーだが、後者はタイトルから分かるように彼らの十八番である情熱的な夏賛歌という風に、彼ららしい仕上がりとなっている。
 その「Let' go to the sea 〜OASIS〜」のC/W曲「Summer Breeze」(こちらもアルバムに収録されている)の一節に、"浴衣にスニーカーの恋"という言葉を見つけた。冒頭でイメージの話をしたが、この庶民的な和洋折衷さこそ、僕が彼らに抱いているイメージだ。高級ホテルのプール・サイドやリゾート地のヨット・ハーバーなどで過ごした後シーフード・レストランで食事…なんてスカしたデートではなく、隅田川の花火大会の後ファミレスでカレーライスとかき氷…的な日本の夏のデート。誰もが体験してきた普遍的で親しみやすいそんなイメージを、今年の夏も繰り返していくカップルは数知れないと思う。そんな時にはぜひ彼らのニュー・アルバムをBGMにして欲しいと思う。

Text by 高瀬康一(編集部)

『OASIS』
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CD
Sony Music Associated Records
AICL-1449
発売中
¥2,913(税抜)

フジテレビ系「めざましテレビ」のテーマソングとして連動展開され、春・夏・秋・冬と4作連続リリースされるプロジェクトの第1弾「青いメロディー」、第2弾「Let' go to the sea 〜OASIS〜」の先行シングル2枚を含む、1年振りのフル・アルバム。今作も夏全開の力作だ。

【TUBE OFFICIAL WEB SITE】http://www.tube.gr.jp/

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