BENNIE K

ARTIST PICK UP

BENNIE K

「やれ"HIP HOP"だ、やれ"R&Bだ"、境界線をひくのはもう無駄」
…実に男らしいキャッチを引っさげた新作『Better Days』は、
フィメール・ユニットとしての自負と自信に溢れた1枚だ!

(初出『Groovin'』2003年7月25日号)

BENNIE K-A.jpg 「男前な」女性が好きだ。たとえば「姐さん」を演じているときの岩下志麻のような。言動にビシッと筋が通っていて、己の生き方に自信を持っている女性はパワフルでカッコイイ。見ていてホレボレする。
 ゆえに「やれ"HIP HOP"だ、やれ"R&B"だ、境界線をひくのはもう無駄」という実に男らしいキャッチを引っさげたBENNIE Kの新作に一目置いてしまうのも、わたしにしてみれば至極当たり前のことなワケです。
 ここでBENNIE Kについて簡単にご説明を。シンガー・YUKIとラッパー・CICOによるこのフィメール・ユニットは、2001年のデビュー以降マキシを5枚、アルバムを1枚リリース。並行して数多くのクラブ・イヴェントにて精力的にパフォーマンスを披露。そのスキル、クオリティー共に今最も注目されているアーティストなのである。
 通算6枚目となる本作「Better Days」は、これまでクラブ・シーンを牽引する名うてのプロデューサーと組むことの多かった彼女たちが、初めてセルフ・プロデュースにチャレンジした作品。先ほどの「境界線をひくのはもう無駄」というキャッチに違わず、ジャンルの壁を取っぱらい、かつオリジナリティー溢れるそのサウンドはまさに「新鮮」のひとこと。全体的な印象はどことなくフォーキーで素朴。しかし、彼女たちのバックボーンであるブラック・ミュージックのエッセンスが要所に見え隠れし、スタイリッシュながらも自然な雰囲気を見事に演出しているのである。
 YUKIのヴォーカルとCICOのラップは凛々しさに溢れているし、身近な言葉で綴られた歌詞もくじけそうな心にエールを送るメッセージ性の強い内容。にもかかわらず、力みや押しつけがましさは微塵もなく、まっすぐ目を見つめて静かに励まされているような、さりげないパワーがトラック全体から感じられる。
 とにかく、「女のラップはどうも…」「HIP HOPは苦手で…」なんて言っている場合ではないのだ。そんな偏見めいた考えを痛快なまでに打ち破る、彼女たちの「男前な」カッコよさが本作には詰め込まれているのだから!

Text by 秋野 櫻

『Better Days』
BENNIE K-J.jpg




Maxi Single
フォーライフ ミュージックエンタテイメント
FLCF-3970
発売中
¥1,230(税抜)

2001年のデビュー以降着実に進化を遂げるフィメール・ユニット、BENNIE Kの6thマキシ・シングル。初めてセルフ・プロデュースにチャレンジした本作は、どことなくフォーキーかつオリジナリティー溢れる仕上がり。等身大の言葉で綴られた珠玉のメッセージ・ソングだ!

【BENNIE K OFFICIAL WEB SITE】http://www.benniek.jp/

inserted by FC2 system