SAYAKA

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SAYAKA

今SAYAKAが描き出す、等身大の世界がここに…。
本人が作詞・作曲を手がけた本作は、まさに16歳の彼女ならではの
情景描写がキラリと光る、印象的なミディアム・バラード。

(初出『Groovin'』2003年8月25日号)

SAYAKA-A.jpg 唐突な話題かも知れないが、あなたは自分が周りからどう見られているか、気になることはないだろうか?人それぞれ、印象やイメージというものが何らかの形で存在するものだが、しかしその印象やイメージはあくまでも周りが客観的に見て、その結果それを受けて形作られるものであって、実はその人の"実像"と決してイコールではないこともある。"印象やイメージ"と"実像"…このギャップが大きいほど、本人としては悩むことも多いかもしれないし、逆に人には知られぬ一面を持っていることを確認出来、密かに喜ぶこともあったりする。でもよく考えれば、必ずしも"印象やイメージ"と"実像"を重ね合わせ、同じ終着点を目指して進む必要も無いのだ。本当の自分の姿、本当の心持ち、そんなものを正しく理解しようとする行為を、よく雑誌や番組などでは「自分探しの旅」などと称する様だが、よくよく考えればそういう行動に出るのも、自意識の中で「本当の自分」と周りの印象やイメージから生まれる「もう1人の自分」との間に何らかのギャップを感じ、それを埋めようとするからに他ならない。
 僕はもちろんSAYAKAには直接面識もないので、彼女がホントはどんな女の子なのか、よく知らない。それは当たり前のことだ。しかし少なくとも、彼女が今まで発表してきた作品や映画のひとコマから垣間見られる感性の煌めきには、惹かれる部分が多く存在した。見事デビュー・ヒットを飾ったシングル「ever since」に見られる、伸びやかさと繊細さ。そして母親譲りの歌唱力。特徴ある瑞々しい声質。それらには後から形作られたものというよりは、天性の音楽的素養といった感じを憶えた。そして次の作品のリリースを期待され続けてきた彼女が、遂に新作となる2ndシングル『garden』を8/20にリリースした。しかも、表題曲となる「garden」は彼女自身の作詞・作曲となるナンバーであり、彼女の新たな才能の一面を世に示すものとなった。
 前作でも作詞を手がけ、彼女の瑞々しい視点は注目を集めたが、「garden」でもそのピュアな情景描写と恋愛感は作品全体の色彩を決めるのに大きな役割を果たしている。16歳の等身大の感性が言葉のあらゆる所に散りばめられた、透明感溢れるナンバーだ。そしてその詞に呼応し、無理なく流れる素直なメロディ・ラインもまた彼女らしい、いい仕上がりだ。またカップリングとして収録された「Believe again」は、昨年12月から今年の初めにかけて行われた「第82回全国高校ラグビー大会テーマソング」としてオン・エアーされた曲で、「ever since」の作曲者であるthe brilliant greenの奥田俊作による作品。長いことCD化が待望されていただけに、ファンには嬉しいプレゼントだ。もちろん作詞はSAYAKA自身が担当し、同世代の高校生に向けて発信された前向きなナンバー。ちなみにもう1曲の収録曲「Mermaid」は、今回新録されたバラード・ナンバー。この3曲によって今のSAYAKAが持つ3通りの違った姿が楽しめ、そこに通底するシンガーとしての素養と、作詞や作曲を通して表現する彼女のオリジナルな色彩感やこれからの可能性を充分感じ取れるいい仕上がりだ。
 16歳の彼女にとっては、この『garden』の3曲を歌うアーティストとしての姿も本当の彼女の姿。またソングライターとして作品を手がける姿も、また違った本当の姿だ。そして8/30からは映画「ドラゴン・ヘッド」が公開され、ここでは主演女優としての彼女の姿がある。彼女自身がどういう形で自分のあり方を受け止め、どういった形でこれから表現をしていくのか、それは誰もが気になるところだと思うが、まずはこの『garden』を聴いてその世界の一端を体験してみてはいかがだろうか。今の姿と未来の可能性、本当の自分と思い描く私、そんな自分にまつわることをイメージしながら彼女の声に耳を傾けると、見えなかった自分のこれからの方向性が見えてくるかも知れない。

Text by 土橋一夫(編集部)

『garden』
SAYAKA-J 初回盤.jpg SAYAKA-J 通常盤.jpg



Maxi Single
Sony Records
[初回生産限定盤]SRCL-5505 ¥1,429(税抜)
[通常盤]SRCL-5506 ¥1,165(税抜)
発売中

『ever since』以来、約1年3ヶ月ぶりとなる待望のMaxi Singleは、SAYAKA自身の作詞・作曲ナンバー「garden」を含む3曲入り。「Believe again」はthe brilliant green/奥田俊作の作曲によるナンバー。等身大の彼女の姿と瑞々しい感性が溢れる、好内容。

※ジャケット写真は、左が初回生産限定盤、右が通常盤です。初回生産限定盤は全15Pフォトブック+デジパック仕様で、プレミアム・イベント「garden's party」参加応募ハガキ封入となります。

【SAYAKA 公式サイト】http://www.sayaka-kanda.net/

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