a.mia

ARTIST PICK UP

a.mia

どんな曲にも過不足なく適応できるセルフ・コントロールの巧さこそ生命線。
過剰表現に走る業界最前線を尻目に、
a.miaはどこまでも、ナチュラルに、そして真摯に…。

(初出『Groovin'』2003年8月25日号)

a.mia-A.jpg 渡部篤郎はどんな作品、どんな役柄であってもすべて「渡部篤郎」である、ということを誰かが言っていました(大河ドラマでも、アメリカン・ホーム・ダイレクトでも)。個性派俳優(性格俳優)というのはそのようなものです。音楽においても、いわゆる「アクの強い」個性派は数多くいます。むしろ、アーティストは個性を出すことこそ必要不可欠とされております。
 そういう意味では、a.miaは決して、独特の声質や歌唱法を持ったいわゆる個性派シンガーではありません。だから、インパクトという点では物足りなさを感じるかもしれません。ただ、ひとつひとつの楽曲の完成度、またそれを裏づけるヴォーカルの適応力と安定感は高いレベルに位置していると言いきれます。それはおそらく、誰よりも楽曲を理解し、楽曲のよさを引き出すにはどうしたらよいか、という課題へ真剣に向きあった結果によるものだと思います。アーティストである以上、他人と違うものを表現するのは必然です。しかし、それが作品の文脈の中で調和していなくては、個性は違和感になってしまいます。ですから、あくまでも「楽曲あっての個性」であるという事は意識する必要があるのです。
 a.miaは過去3作、HIP HOPはもちろんの事、ダブ、2ステップなど、CLUBという切り口から、さまざまなカテゴリーの曲を消化してきました。しかし、それらは決して「過剰」ではないのです。そして、今作の「あなただけを」はMISIAの「Everything」を彷彿とさせるようなR&Bテイストの本格ラヴ・バラ−ドです。やろうとすれば、いくらでも
更なるアレンジを加えることのできる曲ですが、そこを1歩引いて、サラリとこなすところに、楽曲本来の味わいを大切にしたいという心意気が表れています。
 今秋には1stアルバムのリリースも予定されています。きっと、アルバム・トータルで聴いてみれば、その過不足のない実力と、音楽に対する健気なまでに真剣なスタンスが垣間見られると思います。そして、それこそをa.miaの個性であると感じるに違いありません。

Text by 松本真一(大船笠間店)

『あなただけを』
a.mia-J.jpg




Maxi Single
ユニバーサル J
UPCH-5203
8月27日発売
¥1,200(税抜)

3rdシングル「Friday let me down featuring Diggy-MO'(SOUL'd OUT)」も好調なa.miaのニュー・シングルは前作からガラリと変わって、夏の夕暮れ、海辺…もう愛を語るしかない!と言わんばかりの珠玉のラヴ・バラードに仕上がりました。関西テレビ・フジテレビ系ドラマ「クニミツの政」(毎週火曜22時〜)挿入歌にもなっています。

【a.mia Official Website】http://www.universal-music.co.jp/a.mia/

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