GATS TKB SHOW

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GATS TKB SHOW

夏の余韻を感じさせる珠玉の名バラードがまた1つ誕生した!
圧倒的存在感を放つソウル・シンガー、GATS TKB SHOWが4th Singleをリリース。

(初出『Groovin'』2003年8月25日号)

GATS TKB SHOW-A.jpg J-POPシーンにおけるフィーメイルR&Bシンガーのブームもようやく落ち着いたようだ。"売れる"ジャンルとして認識された後、2匹目のドジョウを狙って雨後の竹の子のように続々と登場してきたわけだが、その中で本当にソウル(魂)を感じさせてくれたり、ブラック・ミュージックを心から愛している歌い手はほんの一握りだったように思う。そしてそのブームはなぜか「フィーメイル」に限られており、本格的な男性ソウル・シンガーはほとんど登場しなかった。ブラック・ミュージックを心から愛している男というのはとかくマニアックになりがちで、こと日本の音楽界では"R&Bシーン"などと言っても未だに歌謡曲的な分かりやすさがないとチャートには浮上してこないわけだから、通好みな人は表舞台に出てこないのだ。逆に言えばシーンの裏側に一歩入ってみると、本格的なブラック・フィーリングを醸し出すアーティストが犇めいているのが現状だ。今回紹介するGATS TKB SHOWもその1人である。
 今"その1人"という表現をしたが、GATS TKB SHOWとはGATSによるソロ・プロジェクトだ。GATSは昔からのあだ名、TKBは「ところ構わずバカ」の略である。KGBみたいなスパイ・プロジェクト的カッコ良さを感じているとガクッとくるネーミングだが(笑)、音楽の方はかなりカッコイイ。スティーヴィー・ワンダー、カーティス・メイフィールドなどに代表される70'sソウル/ファンクを徹底的に消化した楽曲で、圧倒的存在感を感じさせる数少ないアーティストだ。
 そんなGATSが8/20にリリースしたマキシ『こんなにも君が』のタイトル曲は抜群の歌唱力で聴かせるメロウ・バラードだ。この曲を聴いて驚いたのは声質が黒人っぽいこと。黒人のヴォーカリストの中にはちょっと喉の奥で籠もった感じの発声の人が多いが(日本人で近いのは鈴木雅之だ)GATSの声質、発声は正しくそれ。このことだけでもかなり本格的なイメージを受ける。アレンジの方も最近のR&Bのアプローチというよりは70〜80年代のフィリー系、ブラコン系の匂いが濃厚で、特に後半終わったかなと思わせて、再びサックスのソロで盛り上がる所などはその筋のファンにはたまらないアレンジだ。
 夏の余韻を感じさせる珠玉の名バラード、これは必聴ですぞ。

Text by 高瀬康一(編集部)

『こんなにも君が』
GATS TKB SHOW-J.jpg



Maxi Single
フォーライフ ミュージックエンタテイメント
FLCF-3982
発売中
¥1,000(税抜)

タイトル曲はソウルフルなヴォーカルが涙モノのバラード。作曲はGATS本人、作詞は高籐 晶と、編曲は小林信吾と共同で行っている。「ブレックファースト」「永遠の星」(Live Version)、「こんなにも君が」のTV Mixも収録。この秋はGATS TKB SHOWに注目だ!

【GATS TKB SHOW 公式サイト】http://www.forlife.co.jp/artist/?aid=FL00167

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