浜田麻里

日本最強のヴォーカリスト浜田麻里の最新作『Sense Of Self』、遂に登場。
今作は待望のハード路線。音楽業界のS.O.S.に立ち向かうのは彼女だ！

（初出『Groovin'』2003年8月25日号）

　 浜田麻里デビュー20周年の記念として発売されたベスト盤『INCLINATION Ⅱ』を皆様聴きましたか？えっ？まだ聴いていない？話になりませんね〜（笑）。急いで買って下さいませ！既にお聴きの皆様の為に話を進めましょう。私自身、彼女の節目となる2003年に発表するオリジナル作品を、大変興味深く待ち侘びておりました。それは何故か？
　話を10年近く戻しましょう。まず10周年記念として発表された『INCLINATION』の後に発表された作品『Persona』（96年）について触れます。この作品は89年以降顕著に見え隠れしていたポップ志向の路線「Hey Mr.Broken Heart」等の曲も収録されていたのですが、正直今までの流れを考えると地味で、アダルトな作風に纏まってしまった感がありました。ずばり物足りなかった。勿論楽曲は優れているし、何より彼女の美貌＆歌唱力も健在だったが…。その後の3作品も個人的には楽しめましたが、密かに楽しむ程度に留まりました。私自身、浜田麻里にはハードな曲を確かなる歌唱力で歌い上げる事を無限に期待しています。
　で、話を戻し新作です。ずばり、期待通りでしょう！（＾＾）今の彼女に20年前のギンギンなメタルを期待するのは彼女を知る者としては論外だし、それを期待するのも無謀。しかし！20周年記念『INCLINATION Ⅱ』を節目に彼女の選んだ路線…それはハードな音楽だったのだ！では何故ハードな路線に戻って来たのか？その鍵となったのは昨年3月に発売されたDVD『Live History 1985〜1992』を自身でセレクトし、過去の自分と向き合えた事、そして何より昨年5月、9年振りに行なったライヴでハードな楽曲を披露した際、沢山のファンが特に熱い声援を贈った事が大きな要因となったのではないか？…私はそう思います。ネガティヴな事も多い時代だけど、彼女の心の内側のパワーを私達に見せてくれた！感動した！秋のライヴ（東名阪にて10月頃予定）も今から楽しみでっす♪

Text by 真田賢司（本店ソフト館）