ケツメイシ

SPECIAL SELECTION

ケツメイシ

前作『ケツノポリス2』から約1年半の歳月を経て、遂に"3"がドロップされる!
身のまわりの出来事への「答え」、そして期待への「応え」が集約された、超大作です!!

(初出『Groovin'』2003年9月25日号)

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 どんなことにも答えは存在する。1つの物事に対して無数に存在する場合がほとんどだ(数学などを除く)。正しい答え、間違った答え。正しかろうと間違っていようと「答え」には変わらない。最近、私はいろんな物事に対し、答えを出さずに曖昧にしてしまうことが多くなってきたように思う。貴方はどうだろうか?
 前作『ケツノポリス2』から約1年半の歳月を経て、待望の新作である今作『ケツノポリス3』が10/1、いよいよドロップされる。前作以上にリリックの世界観、音の広がり、ヴァリエーション、オリジナリティのスケールは想像をはるかに上回る作品に仕上がっている。夏、日々の生活、思い出、社会風刺、キャバクラ、恋、人生観、自然…etc、様々な身の周りに溢れる要素に対し、ケツメイシ流の「答え」が詰まっている。無数に存在する答えの1つ1つがこのアルバム『ケツノポリス3』によって導き出されているのだ。そして、私を含め、1年半『ケツノポリス2』を聴き続け、膨らみ続けた"3"への期待に対する「応え」ともいえる今作は、その「答え」と「応え」に相応しい内容となっている。
 オープニングを飾るイントロ「(バテバテ)」。これはおそらくメンバーが『ウイニングイレブン』をやっている時に録音されたと思われる。出だしから力の抜けた内輪的なノリである。そんな素顔を常に覗かせるスタイルが、ケツメイシの魅力であろう。ファンというより、友達に近い感覚をおぼえてしまう。
 2曲目を飾るのは今年一発目にリリースされたマキシ・シングル「はじまりの合図」。この曲は今までよりレゲエ色を前面に打ち出したアッパーなパーティー・チューンであったが、今作以降、ケツメイシ・スタイルのレゲエ・フレイヴァーが濃くなったように思う。そして、冷夏で部屋に閉じこもってしまった人も多い中、気分だけでも「夏全開」にと思い作られたに違いない名曲「夏の思い出」。確かに、今年は何回冷夏を恨んだことであろう…。前半は、そんなアルバムを勢い付かせる曲が収録されている。
 アルバム中盤には、日々の生活を振り返る「1日」。そして実家への懐かしさを思い出す「家に帰ろう」。男なら誰にでも経験のある1ページを綴った心に沁みる曲が続く。また、ケツメイシには珍しく(?)社会に対する鋭い指摘、子供への想いを込めたシリアスなトラック「明日の少年」。キャバクラへの熱い思いを込めたセクシーなトラック「夜の天使」など、ヴァラエティに富んだトピックが満載である。
 後半にかけて、「太陽」「花鳥風月」などの自然と自分自身の関係を見つめ直す壮大な楽曲で締めくくっていく。最近になって、1年前にドロップされた「花鳥風月」の意味が次第に深みを増してきたように思う。アムバルを通して聴き、最後にこの曲を聴くことによって、また違った聴き方、捉え方ができるのだ。アルバムにストーリー性があるため、それぞれの曲の明確な差別化と同時に、互いのよいところが引き立つ流れになっている。
 トータル・タイム74'00"という超大作『ケツノポリス3』。今作のトピックから様々なヒントをつかみ、自分なりの「答え」を導き出してもらいたい。

Text by 齋藤雅哉(鎌倉深沢店)

『ケツノポリス3』
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CD
トイズファクトリー
TFCC-86133
¥2,913(税抜)
10月1日発売

前作『ケツノポリス2』から約1年半の歳月を経ていよいよ "3"がドロップ!シングル「花鳥風月」「はじまりの合図」「夏の思い出」「太陽」を含み、トータルで74分となる超大作!前作以上のスケールでまたまた"やらかして"くれました!!

【ケツメイシ 公式サイト】http://www.ketsume.com/

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