ダイド

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ダイド

全世界で1200万枚の売上を上げた『ノー・エンジェル』に続く、
ダイドのセカンド・アルバムが完成。
以前よりずっと表現力を増したダイドのヴォイスが染み渡ります!

(初出『Groovin'』2003年9月25日号)

ダイド-A.jpg 21世紀になってから、アメリカとイギリス両国で共に100万枚を売り上げた最初のアルバムは何か?こんな問いに即答できる人はなかなかいないだろう。そのアルバムとは、待望のセカンド・アルバム『ライフ・フォー・レント』をリリースしたダイドのデビュー・アルバム『ノー・エンジェル』である。このアルバムは、最終的にはアメリカで400万枚、イギリスで300万枚、全世界ではなんと1200万枚もの売上を記録したモンスター・アルバムになった(アメリカではトリプル・プラティナム・ディスクを獲得)。もちろんそのようなビッグ・セールスを記録した背景には、そのアルバムからTVドラマの主題歌や映画に使われて(「サンキュー」…グウィネス・パルトロウ主演の映画『スライディング・ドア』にフィーチャー、「ヒア・ウィズ・ミー」…NHKでも放送されたUS TVドラマ『ロズウェル 星の恋人たち』の主題歌/グウィネス・パルトロウ主演の映画『偶然の恋人』に起用された)、認知度が上がったということもあるが、一番彼女の名を知らしめたのは、エミネムがヒット・シングル「スタン」(2001年リリース)で、大々的に彼女の「サンキュー」をフィーチャーしたのが大きな要因だろう。
 そんなラッキーな状況にも関わらず、ダイドは1999年の6月から2002年の5月までファースト・アルバムのプロモーションとツアーを続け、『ノー・エンジェル』を彼女のバンドと一緒にモンスター・アルバムへと育て上げたのだ。そして彼女と共に成長したバンドと共に、この秋セカンド・アルバムとなる『ライフ・フォー・レント』を完成させた。『ノー・エンジェル』の成功を受けてかなりの重圧が彼女にのしかかったと思われるが、自身曰く「プレッシャーを跳ね返す人間」ということで見事な作品に仕上がっている。
 それはこのアルバムからのリード・シングル「ホワイト・フラッグ」にも顕著に表れていて、彼女の実兄でもあるロロの流麗なシンセ・サウンドと、それに絡むストリングスの響きに誘われて歌われる彼女の美しい声は、以前にも増して輝きと潤いに満ちている。『ノー・エンジェル』の頃の彼女のヴォーカルは、美しいサウンドの一部となって同化し、まるでリード楽器のような体裁だったが、このアルバムでは歌を際立たせるミキシングが施されており、それにも増して彼女の表現力が格段にレベル・アップしたのが分かる。フォーキッシュでトラッド的な味わいを持つ「マリーズ・イン・インディア」、どこまでも美しいメロディーが続き、そのメロディーを説得力溢れるヴォーカルで歌いこなしている「ドント・リーヴ・ホーム」、ヒップ・ホップ・テイストを取り入れた「フー・メイクス・ユー・フィール」など、ファースト・アルバムよりさらにスケール・アップしたダイドの世界が拡がっている。
 「人生はディテールの集まり」だと言う彼女。この3年間に過ごしてきた音楽的、私生活的両側面から積み上げてきたディテールは、細部までこだわって創られた1枚の強力なアルバム『ライフ・フォー・レント』に昇華し、僕たちの心に染み入る歌声になった。

Text by 五味渕雅之(朝霞店)

『ライフ・フォー・レント』
ダイド-J.jpg




CD
BMGファンハウス
BVCA-21148
発売中
¥2,427(税抜)

「サンキュー」の大ヒットでマルチ・プラチナムを獲得したダイドのセカンド・アルバム。1つ1つ丁寧に音を積み上げていったサウンドとすぐれた楽曲、そして輝きと潤いを増した彼女のヴォーカルが、より深く心に染み入るパーフェクトなアルバム。

【ダイド 日本オフィシャルサイト】http://www.sonymusic.co.jp/Music/International/Arch/BV/dido/index.html

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