エルヴィス・プレスリー

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エルヴィス・プレスリー

『ELV1S〜30ナンバー・ワン・ヒッツ』に続く、
珠玉のヒット曲を網羅したベスト盤がリリース!
この2枚を押さえればとりあえずザッツ・オール・ライト!!

(初出『Groovin'』2003年9月25日号)

エルビス・プレスリー-A.jpg 没後25周年を迎えた昨年はちょっとしたエルヴィス・イヤーだった。JUNKIE XLがリミックスした「ア・リトル・レス・カンヴァセーション」が使われたNIKEのCMは、今までのエルヴィスのイメージを払拭するクールさだったし、そのリミックス・シングルが各国でNo.1を獲得し、英国ではビートルズの1位記録を抜くという新たに生み出された伝説も実にクールだった。その曲が収録されたアルバム『ELV1S〜30ナンバー・ワン・ヒッツ』は世界26カ国で1位を獲得し1000万枚を売り上げ、今年に入ってもミュージカル「エルヴィス・ストーリー」(観たかった!)の日本上陸や、娘のリサ・マリーの歌手デビュー、ディズニー映画『リロ&スティッチ』にヒット曲が7曲も使われるなど、エルヴィス関連の話題は絶えることを知らない。
 更に命日8/16にリリースされた、57年のステレオ音源、60年代の主演映画からのアウト・テイク、72年のテキサスでのライヴ音源などの未発表音源を4枚組BOXに収録した『エルヴィス・クローズ・アップ』に引き続き、9/10にはリミックス・シングル『ラバーネッキン〜ポール・オークンフォールド・リミックス』をリリース。これは68年のNBCテレビのライヴ番組「68カムバック・スペシャル」で復活を遂げたエルヴィスが、翌年のアメリカン・サウンド・スタジオでのレコーディング・セッションで「サスピシャス・マインド」や「イン・ザ・ゲットー」などのNo.1ソングと共に生み出した「ラバーネッキン」という曲を、マンチェスター・ムーヴメントの重要人物であり現在のダンス・ミュージック・シーンに君臨する"今、最もレコードを売る男"、ポール・オークンフォールドがリミックスしたもの。トミー・コグビルとジーン・クリスマンのリズム・コンビが生み出す強力グルーヴがドス黒いソウル色を醸し出す「ラバーネッキン」という曲は、もともとは69年のシングル「ドント・クライ・ダディ」のB面で発表された。挿入歌となった69年の主演映画『チェンジ・オブ・ハビット』は日本未公開ということからも、マニア以外は知らないいわゆる隠れた名曲。そのような曲をリミックスしてあたかも新曲のようにリリースするというのは、昨年の「ア・リトル・レス・カンヴァセーション」で実証されたように実に効果的であり、本作も話題となることは必至であろう。
 更に更に!その「ラバーネッキン〜ポール・オークンフォールド・リミックス」を含むベスト盤『ELVIS 2ND TO NONE〜エルヴィス・オンリー・ワン』が10/8にリリースされる。『ELV1S〜30ナンバー・ワン・ヒッツ』に入らなかったNo.1曲の他に人気曲や重要曲を足して構成されたものだが、収録リストを見てびっくり、ほとんどが代表曲である。ベスト盤1枚で語られる存在ではないことは百も承知していたが、30曲のNo.1を外してもまだこれだけの有名曲が残っていることに今更ながらに驚いた。ドク・ポーマス&モート・シューマンの絶頂期の作品「リトル・シスター」、ハル・ブレインのドラムが冴え渡る「ボサ・ノバ・ベイビー」、スコッティ・ムーアの軽やかなギター・カッティングがたまらない「ラスヴェガス万歳」など、ロックの歴史を鮮やかに刻んでいると同時に現在の耳にも全くもって新鮮に聴こえる30曲。エルヴィス未体験な人こそにお薦めしたい超強力盤だ。

Text by 高瀬康一(編集部)

『ELVIS 2ND TO NONE〜エルヴィス・オンリー・ワン』
エルヴィス・プレスリー-J.jpg




CD
BMGファンハウス
BVCM-31104
10月8日発売
¥2,427(税抜)

40年の時を経て発見された未発表曲「アイム・ア・ラウスタバウト」、ヒット・シングル「ラバーネッキン〜ポール・オークンフォールド・リミックス」を含むベスト盤。キング・エルヴィスの代表曲がフル・デジタル・リマスターで蘇る!日本盤初回プレスのみスリップ・ケース仕様。

【エルヴィス・プレスリー 日本オフィシャルサイト】http://www.sonymusic.co.jp/Music/International/Arch/BV/elvispresley/

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