メタルバカ☆一代

　今回は最近20周年アルバム『NAGOYA NOISE ORCHESTRA』を発表したばかりのアウトレイジについて書きます。私自身ライヴ・ハウスに足を運ぶ切っ掛けとなったバンドって実はアウトレイジなのです。'87年に発表されたデビューEP『OUTRAGE』の一発で私はKOされました。当時彼らは和製メタリカとも呼ばれていまして、勿論私は両方好きだったのですが、ブラックアルバム（＝5th『メタリカ』の通称）以降私の中でテンションが下がったメタリカに対し、アウトレイジの方がより好きになっていった経緯があります。私がアウトレイジを実際に観に行ったのは…恐らく'88年のデビュー・アルバム『BLACK CLOUDS』が出るか出ないかあたりの時期だったと記憶しています（という事は私、もう15年近くライヴ・ハウスに通っている事になりますな！歳とったわけだ！/笑）。
　アウトレイジのライヴは決まって目黒鹿鳴館に足を運びました。今の若い方にはピンと来ないかもしれませんが、当時日本のバンドも人気があって、例えば今も健在のユナイテッドやジュラシック・ジェイド、サクリファイス、ガス・タンク…特にスラッシュ系が充実していました。その中でもアウトレイジの人気は高かった。ライヴに行くと汗だく＆酸欠は必至でした。帰り目黒駅前の牛丼屋に寄り、水とお茶を繰り返しおかわりして店員を困らせた事は懐かしいな（笑）！
　私の中で常にトップ・クラスだった彼らはアルバムを出す毎にパワー・アップし、パンテラの初来日公演の前座を務めた辺りはハイライトでした。しかしその後名ヴォーカリスト橋本が脱退。カスバの羽鳥に歌わせたりする時期もありましたが、私の中では橋本が抜けた時点で終わってしまいました。…今回この20周年アルバムを聴き、眠っていたアウトレイジ熱が再燃して来ました。勿論橋本がいなくなってから観ていないのですが、観に行こうかな？もし観る機会が出来たら、それこそ初恋の人に会いに行くようなもの。いつかチャレンジしてみます。あ〜ヴェノム初来日公演終了後、帰りに橋本に足を踏まれた事が懐かしい〜！って初来ヴェノム観ている私って（笑）！

Text by 真田賢司（すみや本店ソフト館）
（初出『Groovin'』2003年9月25日号）