LOVE PSYCHEDELICO

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LOVE PSYCHEDELICO

期待通り、いや期待をはるかに上回る名曲がまたもや誕生!
約9ヶ月振りのリリースとなるデリコの8thマキシ・シングル『My last fight』は、
「ホンモノ」ならではの強力な引力を備えた名盤だ!

(初出『Groovin'』2003年10月25日号)

LOVE PSYCHEDELICO-A.jpg 以前、LOVE PSYCHEDELICO(以下、デリコ)のアメリカ・ツアーを克明に追ったドキュメンタリー番組を観たことがある。その頃すでにデリコはミュージック・シーンにおいて独自のポジションを確立しており、いわゆる和製ロックとは一線を画すその音は、わたしの琴線にもビンビン来まくりあげていた。3rdマキシ・シングル『Last Smile』で着実に導火線を手繰り寄せ、1stアルバム『THE GREATEST HITS』の大ヒットによりその人気は一気に燃焼、アメリカ・ツアーはちょうどそのあたりで行われた。決して大きいとは言えないライヴ・ハウスで、デリコの2人…KUMI(Vo&G)と佐藤直樹(G, B&Key)は全霊で音楽と向き合い、耳の肥えた本場のオーディエンスを容赦なく圧倒していた。「デリコは正真正銘、ホンモノだ」心の底からそう思った。アメリカ・ツアーを終えた「ホンモノ」は、4thマキシ・シングル『Free World』(ポカリスエットのCMソング)で更なるシンパを獲得し、以降も「ホンモノ」ならではの、魂を感じさせる名曲を世に送り出し続けている。
 そうして今回、彼らの名曲リストに新たなトラックが加わることとなった。前作より約9ヶ月振り、通算8枚目のマキシ・シングルとなる本作『My last fight』がそれだ。10月よりスタートした関西テレビ・フジテレビ系ドラマ「ハコイリムスメ!」の主題歌としてすでにオンエアされているので、折りに触れて耳にし、リリースを心待ちにしていた人もきっと多いのではないかと思う。いや、絶対に多いはずだ!というのも本作には、たとえどこを切り取られようとも、その切り取られた音の断片がほんの束の間耳をかすめただけでも、瞬時に聴く者の心を惹きつけてしまう強力な引力が備わっているからだ。
 ここ最近ゆったりめの曲が続いたのに対し、本作は程よくエッジの利いたミディアム・ナンバーに仕上がっている。アコギのストロークが小気味好くリズムを刻み、そこにGSチックなフレーズと繊細なアルペジオがナチュラルな彩りを添える。重なり合う襞を上から少しずつめくるように微妙に変化していくAメロの部分でまずは骨抜きにされ、乾いた土を思わせるフォーキーな音の質感、メロウなメロディー・ライン、フェルトのような感触で耳にやわらかく吸いつくKUMIのヴォーカル……とサウンドを順次味わっていくに連れ、たまらない気持ちよさに包まれるのは確実だ。
 それにしても毎度のことではあるが、本作においてもメロディーへの歌詞の乗せ方がとにかく素晴らしい。独特のリズムによりメロディーと一体化した言葉、それこそがKUMIのヴォーカルの持ち味であり、また「日本語の歌詞なのに英語っぽく聴こえる」と言われる所以でもある。ぶっちゃけ、洋楽の場合そうであることが多いように、歌詞がわからなくても曲に入り込めてしまうのである。しかしながら、それではあまりにも勿体ない。自分でオトシマエをつけることができるカッコイイ女、その心情を描いた暗示的な歌詞は、きりりとした潔さをあなたの心に必ずやもたらしてくれるのだから。
 ここまで書いてきて改めて思った。彼らはつくづく「ホンモノ」なのだ。音も、声も、そして言葉も。その真髄を、本作を通してぜひとも心ゆくまで味わってみて欲しい。

Text by 秋野 櫻

『My last fight』
LOVE PSYCHEDELICO-J.jpg



ビクターエンタテインメント
11月5日発売
Maxi Single
VICL-35589
¥1,200(税抜)

LOVE PSYCHEDELICO待望の8thマキシ・シングル。程よくエッジの利いたリズムとフォーキーなサウンドがとにかく渋くてカッコイイ!曲を味わっていくに連れ、たまらない気持ちよさに包まれるのは必至だ。なお関西TV・フジTV系ドラマ「ハコイリムスメ!」の主題歌として絶賛オンエア中!

【LOVE PSYCHEDELICO】http://www.lovepsychedelico.net/

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