KICK THE CAN CREW

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KICK THE CAN CREW

7連続リリースの第4弾となるシングルは両A面!前作「パンク寸前のFUNK」から一転、
フォーキーな音色が優しいリラクゼーション・ヒップホップ。
秋の夜長にグラスを傾けながらどうぞ…。

(初出『Groovin'』2003年10月25日号)

 ここ最近のキックは本当に話題に事欠かない。シングル「性コンティニュー」を皮切りにした7作品連続という型破りなリリース・ラッシュや、HIP HOPグループとしては異例の大規模なアリーナ・ツアー決定といった話題は、今秋の音楽シーンの最重要トピックである。更に、台湾観光リカバリーの親善大使に任命され、初の台湾公演を実施したり(台湾でも彼らの人気はうなぎ登りらしい)、多大な影響力を誇るアメリカの音楽雑誌"THE SOURCE"が選出する"THE SOURCE HIP HOP MUSIC AWARDS 2003"の"International Album of the Year"で、アルバム『magic number』が日本人として初めてノミネートされたりと、ワールドワイドな話題でもシーンをお騒がせだ。7連続リリースの最終作品となる3rdアルバムまでノンストップで走り続ける彼らから、しばらくは目が離せない。
 そんな話題豊富なKICK THE CAN CREWのニュー・シングル「ナビ/揺れ」が完成した。カラっとしたホーンのフレーズが夏を盛り上げた「性コンティニュー」、フォーキーなトラックが印象的なピースフル・ナンバー「GOOD MUSIC」、ドライヴ感溢れるディスコティックなファンキー・チューン「パンク寸前のFUNK」に続く、7連続リリースの第4弾である。今作は久々の両A面シングルで、両曲ともしっとりめのミディアム・チューン。思いっきり弾けていた前作から一転、秋の夜長にでも聴きたくなるようなリラクゼーション・ヒップホップだ。フォーキーなギターが優しく響く「ナビ」は、何と言っても、3人のプライベートが垣間見れるようなリリックが楽しい。<歩いて行こうよ/レコード屋に/あそこぐらいなら結構となり街/なんつったって大丈夫でしょ?><DJ TATSUTAに顔PASS通信/レゲエの7インチ情報が中心/メールでギブアンドテイクで/新譜をチェックしてんだ>…なんて、めちゃめちゃミニマムな世界が展開する。ファンにしてみれば、こういうのって親近感を覚えて結構ドキドキしちゃうものです。…異性ならではの感覚でもあるのでしょうけど。一方、アダルトな雰囲気が漂う「揺れ」は、そのタイトル通り、ゆったりと体をスウィングさせてくれるグルーヴィーなナンバー。<おとなりと違っても/あせらずに信じて待ってろ><どんな揺れでも構わないぜ/受け止めてやるよまだまだ行け>というリリックも相俟って、彼らの包容力にクラクラきてしまう1曲だ。それはまるで大きな揺り籠に揺られているかのような心地よさ。ううむ、素敵すぎるよ、キック。…いやはや、文句なしにキックの男っぷりを上げる両A面なのだ。
 7連続リリースも遂に第4弾までやって来たが、続く第5弾はいよいよ初のベスト・アルバム『BEST ALBUM 2001-2003』!新曲も収録され、しかもPV集のDVDもついているとのこと。あぁ、気になる。今年いっぱい、キック・ファンはソワソワしっぱなしなのである。

Text by 池 佐和子

『ナビ/揺れ』
kick the can crew-J.jpg




ワーナーミュージック・ジャパン
11月12日発売
Maxi Single
WPCL-10056
¥1,000(税抜)

7連続リリースの第4弾となる両A面シングル。前作「パンク寸前のFUNK」から一転、秋の夜長にピタリとハマるリラクゼーション・ヒップホップ。フォーキーなギターの音色が印象的な「ナビ」は、身近な事柄をモチーフにしたリリックが楽しい。

【KICK THE CAN CREW official web sites】http://www.kickthecancrew.com/

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