SUPER EGG MACHINE

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SUPER EGG MACHINE

メロディー上に映し出される嘘のない純粋な「想い」は、極上の"せつなさ"をもたらす…
ガールズ3ピース・バンド、SUPER EGG MACHINEの新作『銀色』は、
ハートにじぃんとくるメロディアスな1枚だ!

(初出『Groovin'』2003年11月25日号)

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 藤井万利子(Vo.&G)、稗田美和(B)、今村 舞(Dr.)の3名からなる九州出身のガールズ・バンド、SUPER EGG MACHINE。かつて、初めて彼女たちの曲と出会った時、藤井万利子のクリアハスキーとでも言うべき声に衝撃を受けたのを憶えている。すべての感情を振り絞るように歌うそのヴォーカル・スタイルは、まさに「一曲入魂」そのもの。しかも、骨太で厚みのあるロック・サウンドがバックからこれでもかと煽るものだから、彼女のテンションは更に高みへと昇りつめていくばかり。そうして放たれる圧倒的なパワーとカッコ良さは、数あるガールズ・バンドの中でも群を抜いている。「別格」と言い切ってもいいだろう。
 そして、待望の新作『銀色』はというと…新たな印象をもたらす最高の作品に仕上がっていた!パワーを巧みにセーブできる柔軟さ、そして、ラフな感じと繊細さを絶妙な塩梅で対比させるバランス感覚が本作で見事に結実。それゆえ、より「柔らかい」魅力が曲全体から感じられるのである。
 通算4枚目のマキシ・シングルとなる本作は、インディーズ時代から定評のあったメロディアスなミディアム・ナンバー。優しい雰囲気の曲ではあるが、力強いボトム・ラインと高密度のディストーション音に彩られたロック・サウンドは健在。このロック・サウンドが、メロディー・ラインの包含するメロウな側面を照らし出し、ハートにじぃんとくるようなせつなさを浮き彫りにするのである。更に、張り裂けそうな恋心を情感豊かに歌い上げる藤井万利子の「声」がせつなさを「増幅」。「あと何度 夜を二人見るんだろう 寒さが嫌いと凍える発音が 銀色の空に哀しく響くよ ちぎれる想いで頬に触れた」…自らの言葉で綴られた歌詞は、嘘のない純粋な「想い」をメロディー上に映し出していく。冬の空気の凛とした匂いとともに…。
 バンド名"SUPER EGG MACHINE"には、「いい曲をポンポン生み出せるように」という彼女たちの願いが込められている。せつなさ溢れる本作は、紛れもなく「いい曲」と呼ぶのに相応しい1枚だ。

Text by 秋野 櫻

『銀色』
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トイズファクトリー
発売中
Maxi Single
TFCC-89086
¥952(税抜)

昨年デビューを果たし精力的なライヴ活動を全国区で展開するガールズ3ピース・バンド、SUPER EGG MACHINE。待望の4thマキシ・シングルは、太くて厚みのあるロック・サウンドはそのままに、メロウかつメロディアスな印象を備えた"せつない"1枚だ。c/w『迷路』のラフさとライヴ感も必聴!


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