TAK MATSUMOTO

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TAK MATSUMOTO

話題沸騰の稲葉浩志が歌う「勝手にしやがれ」収録!!
松本孝弘(B'z)のルーツを紐解く邦楽カヴァー・プロジェクト・アルバム。
倉木麻衣、ZARD、愛内里菜etc…大集合の70年代の名曲が新たな息吹で甦る!!

(初出『Groovin'』2003年11月25日号)

TAK MATSUMOTO-A.jpg テレビドラマを見ていると突如流れてきた印象的なピアノの懐かしいフレーズ…そう、ジュリーこと沢田研二の「勝手にしやがれ」だ。しかしジュリーじゃない!! 稲葉浩志が歌っているっっっ!!この曲こそ、TAK MATSUMOTO邦楽スタンダード・ナンバーのカヴァー・プロジェクトの目玉となることは一瞬にして想像できた。
 ご存知のようにプロジェクト第1弾シングルは、ZARD(坂井泉水)をフィーチャーした久保田早紀の「異邦人」、第2弾シングルが倉木麻衣をフィーチャーした百恵ちゃん(山口百恵)の「イミテーション・ゴールド」であり、どちらの楽曲も意表をつく選曲とオリジナル曲のイメージにベストマッチなヴォーカルの組み合わせに驚かされた。そして遂にこのカヴァー・プロジェクトの全貌を明らかにするのが本作『THE HIT PARADE』だ。
 本作は、96年に松本自身がリスペクトする洋楽のカヴァー・ナンバーを収録したアルバム『ROCK'N ROLL STANDARD CLUB』をリリースした時から、既にその構想が練られていたという。実に7年にもおよぶ時間、寝かしに寝かせたプロジェクトなのだ。選曲の基準は、『R.R.S.C.』がそうであったように、松本自身が感銘を受けたアーティストや好きな楽曲、思い入れのある楽曲が選ばれている。それゆえ、アイドル、ロック、ポップス等ヴァラエティに富んだ内容になっている。しかし、色褪せることのない70年代の名曲ばかりだけにオリジナルのイメージが強く、ともすると安易なカヴァー・アルバムになってしまいかねないのだが、そのヴォーカリストに合っている楽曲とのマッチングゆえにその組み合わせが絶妙で、新鮮さが損なわれていないのだ。さらにサウンド面においても、決してオリジナルに忠実なアレンジにはなっておらず、(ギタリストでありプロデューサーである彼の手腕によるところが大きいのだとは思うがそれ以上に)それはそれぞれの楽曲に対しての彼の強い愛情があるがゆえなのだろう。オリジナルの持っている空気感が自然と違和感なく伝わってくる。
 収録曲についてさらに触れておくと、安西マリアの「涙の太陽」を愛内里菜が、これもまたアレンジがまったく違うのだが、すごくオリジナルとイメージがリンクするナンバー。北原愛子、三枝夕夏、高岡亜衣のGIZA三人娘によるキャンディーズの「その気にさせないで」。「春一番」や「年下の男の子」など超メジャー・ナンバーでなくこの楽曲をセレクトするあたりが拘りを感じさせられる。また、ダウンタウン・ブギウギ・バンドの「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」では、なんと松本本人がヴォーカルをとっており、これはかなり話題を呼びそうな1曲だ。そしてもう1曲、ギタリストしてのルーツであるクリエイションの「SPINNING TOE-HOLD」を超絶ギターでカヴァー。ギター・キッズたち要チェックの1曲。他にも中森明菜の「少女A」、八神純子の「パープルタウン」、山下達郎の「Paper Doll」、荒井由実の「雨の街を」なども収録されている。誰が歌っているかはぜひ聴いて確かめてほしい。そのどれもがやはりベストマッチな組み合わせになっているから…。
 オリジナルを知っている世代も、まったく知らない世代も十分に楽しめる内容になっている今作。しかし、実は松本自身が一番楽しんでいるのではないだろうか…。自分のサウンド・スタイルでオリジナル楽曲をカヴァーするというスタンスの作品の中では群を抜いてクオリティの高い作品だ。ぜひ聴いて感じてほしい!!

Text by 常盤安信(横須賀佐原店)

『THE HIT PARADE』
TAK MATSUMOTO-J.jpg



VERMILLION RECORDS
11月26日発売
CD
BMCV-8009
¥2,913(税抜)

B'z松本孝弘のソロ・プロジェクト。7年前にリリースされた自身がリスペクトする洋楽ソング・カヴァー・アルバムに続く邦楽カヴァー・アルバム!今作は、70年代から80年代初期までの邦楽の名曲をカヴァー。稲葉浩志、ZARD、倉木麻衣、愛内里菜など充実のヴォーカル陣をフィーチャリング。クリエイションのカヴァーが超絶!!

【B'z Official Website】http://www.bz-vermillion.com/

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