バステッド

しなやかに極上のメロディが疾走する爽快痛快ポップ・パンク！
イギリスで爆発的な人気を誇る3人組、バステッドの待望のセカンド・アルバムが登場！
ロック／ポップ界を驚かす大傑作の完成！

（初出『Groovin'』2003年11月25日号）

　とにかく聴いてみてほしい。最高に楽しいアルバムだ。ありきたりな言葉だけれど自信を持って言えるから、是非それを信じて聴いてほしい。自分の耳と感性だけで聴いてもらえればいい。胸が弾む。ジャンプしたくなる。こんなにもプリミティヴに体を揺さぶられる楽しいアルバムには数年出会ったことがない、と思えるほどの快作だ。もっとも、デビューから彼らを支持し続けているファンにとっては何の不思議もない。
　イギリス生まれで現在20歳のマット、ジェイムス、18歳のチャーリーの3人で結成されたバステッドは、昨年リリース（日本では今年6月）のデビュー作にしてすでに本国イギリスはもちろん、遠くここ日本でもたくさんのファンの心を捉え、イギリスだけでなく、日本でも2度の来日（7月と10月）の際には、行くところ熱狂的なファンが殺到する大騒ぎとなるほどの人気ぶりを博している。聴く者をひたすらに楽しませ、ひたすらに熱狂させる。それがバステッドだ。いったい何が、それほどまでに人々を熱狂させるのだろう？
　彼らにしかできないことがある。彼らほど「青春」というものを余すところなく、極上のメロディと爽快なビートに乗せて100％表現できるバンドはまずいないだろう。もっと言ってしまおう。こんなにもカッコよく、かわいく、青春しながらロックできるバンドはバステッドだけだ。前作では、学校の女教師にモンモンとし、ブリトニーのビデオを見て汗をかいた。今作も、元彼女の結婚式をブッ壊し、スチュワーデスを見てパンツを汚して（？）いる。そんな思春期の想いを恥ずかしがらずにユーモアたっぷりに歌った歌詞。そこにバツグンのメロディ・センスとポップ・センス、彼ら自身愛してやまないポップ・パンク・サウンドが乗っかる。それをナイスなキャラの3人が若者らしいエネルギッシュな歌声で歌う、叫ぶ。こんなに等身大で、ストレートでいさぎよい青春、そして音楽はない。元来言われてきたように、ありのままの自分をストレートにぶつけるのがロックなのだとしたら、こんなにもロックなアルバムはない。そんな彼らの全ての魅力を体に浴びて、ファンもリスナーもストレートに熱狂する。しかも、彼ら自身「意識した」という通り、前作よりも格段にバンド・サウンドが進歩しているのだ。ギターは更にスピーディにシャープに、ドラムはラウドにパワフルに。成長した彼らの才能を、進化したサウンドで聴けるというのだから、このセカンド・アルバムが傑作にならないはずがない。間違いなく、音楽シーンを驚かす大傑作の誕生だ。みなさんの耳と感性でそれを存分に確かめてほしい。