岡本おさみ アコースティック・パーティ with 吉川忠英

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希代の作詞家「岡本おさみ」の作品を吉川忠英の演奏に乗せ、福山雅治、中川敬、あがた森魚、南こうせつ等14人の歌手が歌う。
本物がわかる人のための1枚だ。

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岡本おさみ アコースティック・パーティ with 吉川忠英

(初出『Groovin'』2003年11月25日)

 僕がまだ少年だった頃、岡本おさみの詞が街に馴染んでいた事を、まず伝えておきたい。今でも思い出すのは、昭和49年、とある清涼飲料水の配送助手をしていた頃、森進一の歌う「襟裳岬」(岡本おさみ作詞、吉田拓郎作曲)がラジオから怒涛のように流れていたこと。運転手で2才年長の金田さんが、トラックのハンドルを抱えるように運転しつつ、ラジオの「襟裳岬」に合わせ唸っていた。「いいよなぁ、この歌」。その「襟裳岬」を、本作ではあがた森魚が歌う。吉川"ギター名人"忠英氏の美しい音に乗せて"何もない春です"と、歌われてごらんよ、金田さんじゃなくとも「いいよなぁ、この歌」って言いたくなる。そう、この名曲「襟裳岬」を含む本作は、岡本おさみがサウンド・プロデューサーに吉川忠英を迎えモノにした究極の作品集。もともと岡本さんは、自作の歌を「これまで遠くから見ているだけだったいろんな人に歌ってもらえたら…」という願いを持っていたというが、
① 当初リリース時に歌った人とは別の歌手にお願いして、まったく表情の違う歌を作る。
② 楽器は吉川忠英のギターだけ。しかしヴォーカリストが自ら楽器を弾く場合は歓迎。
③ 全13曲のうち11曲はリメイク。2曲は新曲とし、吉川忠英が作曲する。
という決め事のもと制作を開始、あがた森魚、SION、福山雅治、加川良、中川敬(ソウル・フラワー・ユニオン)、比嘉栄昇(BEGIN)、南こうせつ、など、そうそうたる「歌手」が参加。岡本さん自身も「新曲」を歌う!という快挙も実現。私、個人的には「落陽」にやられました(泣)。聴きどころ、泣きどころ多数あり。今年から来年の冬にかけて、単なるナツメロではない、まさに「本物がわかる人のための1枚」が仕上がった。
 それにしても、金田さんは元気だろうか、そして「襟裳岬」は、相変わらず他のフェイヴァリットなのだろうか?金田さんに本作を「美味い酒」と共に届けたい、そんな気分の今日この頃なのです。

Text by 鷲尾 剛(すみや本社商品部 オーディオソフト・グループ)

『岡本おさみ アコースティック・パーティ with 吉川忠英』
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リスペクト・レコード
12月3日発売
CD
RES-78
¥3,000(税抜)

作詞家「岡本おさみ」の作品を、アコースティック・ギターの名手「吉川忠英」の演奏に乗せて、14人の「歌手」が歌う「アコースティック・パーティー」。福山雅治、中川敬、あがた森魚、南こうせつ、さらには岡本おさみ本人が歌う本作は、本物指向の良質な1枚だ。32Pフルカラーブックレット封入。


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