リアン・ライムス

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リアン・ライムス

弱冠14歳でデビューしたリアン・ライムスのベスト・アルバムが完成!
全米で通算2000万枚以上のアルバム・セールスを誇る
彼女の魅力がぎっしり詰まった1枚。

(初出『Groovin'』2003年11月25日号)

リアン・ライムス-A.jpg 僕がリアン・ライムスを初めて知ったのは、カントリー・フレイヴァー溢れる「ブルー」をFMで聴いたのが最初だった。その時は「ビルボード誌に3位に初登場した新人女性シンガー」と紹介されていたが、僕の中では、またカントリー系の歌の上手いシンガーがデビューしたな、ぐらいにしか思わなかった。しかしその「ブルー」のノスタルジックなメロディーとアレンジ、そして彼女のファルセットを巧みに絡めたエモーショナルな歌唱方法は僕の記憶に刻み込まれた。そしてその年のグラミー賞で驚くべき事が起こった。その年の新人賞にノミネートされていたのはガービッジやノーダウト、ジュエルという錚々たるメンバーだったにも関わらず、なんとリアン・ライムスが最優秀新人賞を受賞したのだ。しかも画面に映し出された彼女は、なんとまだあどけない表情を持った14歳の少女だったのだ。
 それからの彼女は、 デビー・ブーンのカヴァー曲「ユー・ライト・アップ・マイ・ライフ」や「ハウ・ドゥ・アイ・リヴ」が大ヒットし、後者は69週連続チャート・インというビルボード史上初のロング・ラン・ヒット記録を樹立した。まだまだ彼女の快進撃は続き、セカンド・アルバム『アンチェインド・メロディ』、サード・アルバム『ユー・ライト・アップ・マイ・ライフ』が続けてビルボード・アルバム・チャート初登場1位、2000年にはドラマ主題歌「アイ・ニード・ユー」と映画「コヨーテ・アグリー」の主題歌「キャント・ファイト・ザ・ムーンライト」と2曲同時にビルボード・シングル・チャートでトップ10入りという、女性ソロ・シンガーとして初めての快挙を成し遂げた。
 そんな、ミシシッピ生まれの今年まだ21歳の天才シンガー、リアン・ライムスの初のベスト・アルバムがリリースされる。彼女のヴォーカル・スタイルは、現在主流となっているスタイルとは明らかに異なり、ほとんどR&B色を感じさせない歌唱方法である。もちろんカントリー畑出身という事もあるが、フェイクやアドリブなどは極力抑え、その楽曲の持つ魅力を忠実に再現できる表現力が、彼女には天性に備わっているからであろう。
 そして彼女が少女から大人へと成長する過程が、このグレイテスト・ヒッツにはぎっしり詰まっている。個人的にはまだカントリー色の強い彼女の魅力に惹かれるが、よりポップ・フィールドに近づいた彼女の姿は、洗練されていて弾けた魅力に溢れている。また、彼女のアルバム・ジャケットを見ると、その洗練具合が鮮明に記憶されていて、デビュー・アルバムの『ブルー』あたりでは、ミシシッピ州から出稼ぎに来ました感が残った容姿だったが、7枚目のアルバム『トゥイステッド・エンジェル』になると、シカゴに生まれ、今は弁護士になるためにニューヨークの大学に通っています的なルックスに変貌を遂げている。けれど彼女の歌声は常に変わらず世の中を席巻し続けている。そんな彼女の7年間の魅力と歴史を、このアルバムはいつまでも変わらずに残していってくれるだろう。

Text by 五味渕雅之(朝霞店)

『グレイテスト・ヒッツ』
リアン・ライムス-J.jpg




コロムビアミュージックエンタテインメント
発売中
CD
COCB-53141
¥2,300(税抜)

類い希なる歌唱力を持った天才少女、リアン・ライムスのベスト・アルバム。14歳だった彼女のデビュー曲であり、今では既にアメリカでスタンダードとなりつつある「ブルー」をはじめ、彼女の7年間のヒット曲をギッシリ詰め込んだ1枚となっている。

【リアン・ライムス 日本オフィシャルサイト】http://columbia.jp/~leann/

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