2003年のリイシュー/新編集盤 総点検

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2003年のリイシュー/新編集盤 総点検

2004年もスタートして早1ヶ月近くが過ぎようとしておりますが、今年も春先から新譜あり再発ありと様々な作品がリリースされております。そこでこのコーナーでは、その中でもリイシュー(再発)盤や、新たに編集されたベスト盤、未発表音源集などにスポットを当てて、一体昨年はどんな作品が発売されたのかをおさらいしておきたいと思います。待望の世界初CD化作品あり、あるいはデラックス・エディションなどの豪華仕様で甦った作品もあり…。しかしこれらリイシュー盤や編集盤、いつまでも市場にあるとは限りません。どんどん新たな作品がリリースされると共に、残念ながら姿を見かけなくなるものもあるのが事実です。「いつまでも、あると思うなリイシュー盤」ということで、まずはどんな作品があったのか、もう一度再確認してみましょう。買い逃しがあった方、お急ぎを!

(初出『Groovin'』2004年1月25日号)
Text by 土橋一夫(編集部)

ザ・フー
『フーズ・ネクスト+20〈デラックス・エディション〉』
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ユニバーサル インターナショナル
発売中
CD(2枚組)
UICY-7157〜8
¥3,495

71年にリリースされたザ・フーの代表作に、ニューヨーク・レコード・プラント・セッションから6曲を、さらに71年4月26日のヤング・ヴィック・シアターでのライヴから14曲をプラスした、豪華盤。未発表ヴァージョン14曲(うちライヴ12曲、スタジオ録音2曲)という、ファンも納得の充実した内容。

クリーム
『クリーム BBCライヴ』
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ユニバーサル インターナショナル
発売中
CD
UICY-1167
¥2,427

昨年末のエリック・クラプトンの来日公演は、相変わらず大きな話題となったが、そのクラプトンが在籍していたクリームの英BBCでのライヴ・セッションが、遂にまとまった形でリリースされた。しかも未発表音源20曲+クラプトンのインタヴューも収録というファン必聴の豪華な内容。スリリングな演奏を是非!

ザ・ビートルズ
『レット・イット・ビー...ネイキッド』
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東芝EMI
発売中
CD(2枚組)
TOCP-67300〜1
¥2,667

単なる再発とは言い難いものの、一般的にはやはりこの『レット・イット・ビー...ネイキッド』が一番大きな衝撃を与えた作品と言えそうだ。フィル・スペクターによるプロデュース(編集)色が一掃され、元々ポールらが描いていたサウンドに。曲の良さやメロディの美しさがより浮き彫りになった、発見多しの1枚。

ルー・リード
『NYCマン〜ヒストリー・オブ・ルー・リード 1967-2003』
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BMGファンハウス
発売中
CD(2枚組)
BVCM-37400〜1
¥3,300

ルー・リード本人の選曲・監修により完成したまさに究極の、2枚組全31曲収録のベスト・アルバム。ヴェルベット・アンダーグラウンド時代から、RCA、アリスタとレーベルを越えての全キャリアを網羅した内容で、彼がこれまでに作ってきたサウンドや作品の変遷も手軽に感じ取れる充実の好内容。

ジェームス・ブラウン
『ザ・ベスト・コレクション』
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ユニバーサル インターナショナル
発売中
CD
UICZ-1086
¥2,476

昨年夏には映画『ゲロッパ!』の大人気や、10月からの来日もあって、再度注目を集めた偉大なファンク・シンガー、ジェームス・ブラウン。その彼の代表作を網羅した、新編集によるベスト盤が本作。今やファンクの基本的ナンバーとなった「セックス・マシーン」をはじめ、魅力をお手軽に堪能できる充実の1枚。

アル・クーパー
『赤心の歌』
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Sony Muisc House
発売中
CD
MHCP-19
¥1,900

昨年もカヴァー作品がTV CMなどにも起用され、若いリスナーにも人気の「ジョリー」を含む、アル・クーパーの代表作が、デジタル・リマスターされ、しかもオリジナル・ジャケットを忠実に再現した紙ジャケ仕様で登場。来日公演もあり再評価された彼の名盤は、いつ聴いても新鮮な響きだ。

オールマン・ブラザーズ・バンド
ライヴ・アット・アトランタ・ポップ・フェスティヴァル 1970
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Sony Music House
発売中
CD(2枚組)
MHCP-139〜40
¥3,600

根強い人気を誇るオールマン・ブラザーズ・バンド。彼らのライヴ音源の中でも未発表だった本作がリリースされたのをお喜びのファンも多いはず。本作はタイトル通り70年のアトランタ・ポップ・フェスティヴァルでの収録で、ジョニー・ウィンターもゲスト出演!なお『フィルモア・イースト・ライヴ+6』も発売中。

ニール・ヤング
『渚にて』
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ワーナーミュージック・ジャパン
発売中
CD
WPCR-11671
¥1,800

祝!世界初CD化!ファン待望の本作が、デジタル・リマスター盤で登場。本作はちょうどCSN&Yの再結成ツアーが行われた時期の74年リリースで、ザ・バンドのレヴォン・ヘルムやリック・ダンコ、ラスティ・カーショウもゲスト参加。『アフター・ザ・ゴールド・ラッシュ』と共通するサウンドで人気も高い。

レッド・ツェッペリン
『伝説のライヴ -HOW THE WEST WAS WON-』
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ワーナーミュージック・ジャパン
発売中
CD(3枚組)
WPCR-11585〜7
¥4,200

かつてBBCライヴがリリースされた際にも大きな反響を巻き起こしたレッド・ツェッペリンの、72年の未発表ライヴ音源が遂にCD化!最もノリに乗っていた時期に行われたとも言えるこのライヴは、「移民の歌」「天国への階段」等代表曲も収録した必聴の内容。なお2枚組の未発表ライヴDVDも発売された。

デニス・ランバート
『バッグス・アンド・シングス』
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ドリームスヴィル
発売中
CD
YDCD-0098
¥2,381

フィフス・ディメンションやダスティ・スプリングフィールド、ライチャス・ブラザーズなどに名曲を書いたデニス・ランバートが、72年にリリースした唯一のソロ・アルバム。例えばバリー・マンの『レイ・イット・オール・アウト』などと共通する、聴くごとに増す大人の味わいと良質な楽曲が満載。世界初CD化。

イーヴィ・サンズ
『エステイト・オブ・マインド』
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ドリームスヴィル
発売中
CD
YDCD-0099
¥2,381

75年に彼女が発表した名盤2ndアルバムが、世界初CD化。西海岸の名うてのミュージシャンをバックに展開されるサウンドはソウルフルで、かつ繊細。プロデュースはデニス・ランバート&ブライアン・ポッター、デイヴィッド・フォスターも参加。また未発表曲もボーナス・トラックとして収録。

ソルト・ウォーター・タフィー
『ファインダーズ・キーパーズ』
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BMGファンハウス
発売中
CD
BVCM-37382
¥2,000

90年代前半に、いわゆるJ-POPS渋谷系のバイブル的名盤として再評価され、長らくリイシューが待たれていた本作が、遂に世界初CD化。ポップでお洒落な渋谷系御用達の作品だけに、その内容は今聴いてもまばゆい輝き溢れるもの。ロッド・マクブライエンのセンスが光る、ソフト・ロックの永遠の名盤だ。

アルゾ
『アルゾ』
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BMGファンハウス
発売中
CD
BVCM-37445
¥2,000

日本ではフリー・ソウル/ソフト・ロックのブームに乗って再評価され人気のアルゾ&ユーディーンとして『カモン・アンド・ジョイン・アス』を発表後、ソロとなった彼が71年にリリースした1st。12弦ギターの美しいサウンドと特徴ある彼の高音の響きがたまらなく眩しい、まさに名作。山下達郎氏の愛聴盤としても有名。世界初CD化。

デヴィッド・キャシディ
『青春のポートレート』
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BMGファンハウス
発売中
CD
BVCM-37446
¥2,000

75年にビーチ・ボーイズのブルース・ジョンストンとの共同プロデュースで発表されたアルバム。米TV番組「パートリッジ・ファミリー」でも大人気だったアイドルだけに、輝き溢れる優れた内容で、ビーチ・ボーイズの「ダーリン」やMFQの「ジス・クッド・ビー・ザ・ナイト」(山下達郎Versionでも有名)といったカヴァーのセンスも秀逸。世界初CD化。

布谷文夫
『悲しき夏バテ』
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ハガクレ/
ユニバーサル ミュージック
発売中
CD
ISCP-1167
¥2,500

廃盤状態だった73年の隠れた名盤が、紙ジャケ仕様で復刻。本作は多羅尾伴内(=大滝詠一)のプロデュース、バックの演奏は伊藤銀次率いるココナツ・バンクという布陣で制作された作品で、スワンプ・ロックやブルース色の濃い、当時としては異色作。ナイアガラ・ファンはマスト・アイテム。

ザ・ゴールデン・カップス
『ザ・ゴールデン・カップス・アルバム 第2集』
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東芝EMI
発売中
CD
TOCT-25103
¥2,190

BOXもリリースされ再度脚光を浴びたカップス。代表曲でもある「長い髪の少女」を収録し、まさにGSが社会的ムーヴメントとして注目された68年に発表された名盤2ndを、紙ジャケット&24ビット・リマスターにより再発。村井邦彦アレンジの「Spooky」や、オリジナル曲「過ぎ去りし恋」は、お薦め!

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