カラー・オブ・ファイヤー

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カラー・オブ・ファイヤー

掻き鳴らされるアグレッシヴなギター、驚くほど柔軟なヴォーカル。
UKロック・シーンで話題騒然のU-21のヤング・ライオン!
彼らの行く先には輝かしい未来が拓けている!!

(初出『Groovin'』2004年3月25日号)

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 英国発、期待の新colour of fire(カラー・オブ・ファイヤー)が、遂にデビュー・アルバム『PEARL NECKLACE』を完成。プロデューサーはU2、SUEDE、NEW ORDERなどでお馴染みの大御所STEVE OSBORNE。キラー・チューン満載で04年屈指の名盤になることが約束された1枚。「刺激が欲しけりゃ、コレを聴け!」「気持ちよければ、すべてよし!!」そんな1枚でもある。
 ところで、このcolour of fireは02年に結成、8月に英BBCのメイン・チャンネル"Radio 1"や"XFM"が彼らに注目するようになり、楽曲のエアプレイにより人気が急上昇してくる。さらに"In The City 2002"なるイベントでのLIVEパフォーマンスにおいて、あらゆる音楽業界関係者から「最もすばらしいバンドの1つである」という賞賛を受け、以来関心を集め続けている期待のバンドである。
 サウンド的には、敢えて言葉にするのなら"POPなエッジを持ったエモーショナル・ロック"という感じ(俗にいう"POP PUNK"や"FUN PUNK"といった類ではなく"へヴィー・ロック"や"ラウド・ロック"といった類でもない、ちょうどそれらの中間に位置する、文字通りの"激情"型ロック)で、最近のバンドで言えばat the drive in、The Vinesに近いものがある。但し彼らの場合、へヴィーさやラウドさばかりを前面に出すのではなく、いわゆるUK然とした、伝統的でもある繊細で美しいメロディを奏でる能力も兼ね備えている。更に、LIVEでの激しく、アグレッシヴなステージングも彼らの魅力の1つであり、非常に高い評価を得ているそうだ("SONICMANIA 2004"にも出演したので、既に彼らを体感した方も居るだろう)。末恐ろしい、無限の可能性を秘めたパーフェクトなバンドだと認めざるを得ない、有望なバンドだ。
 そして、彼らにはもう1つ魅力がある。それは、驚くほど柔軟なヴォーカル力だ。トム・ヨークやデヴィッド・ボウイ、ボーノにも通じる、感情表現力の多彩さ。本当にまだ20歳そこそこ?と疑いたくもなる懐の深さ。聴いた誰もがこの叫びにも似た声に圧倒されるだろう。
 とにかくこのcolour of fireは、最近のロック・バンドに顕著に見られるような、初期衝動だけをエネルギーにして短命に終わっていくロック・バンドでは決してない。同じ芸風を再生産しながら生き延びていくロック・バンドでもない。そう、レディオヘッドやデヴィッド・ボウイ、U2の様に、ロック・ヒストリー自体を動かしていく程の巨大な才能を内に秘め、自らの表現方法を大きく問い直す変革の時期を迎え、そこからまた再び自らの才能を大きく発揮するための新たな方法論をいつしか獲得していくであろう。(勇気を出して、こう断言してしまおう)。
 こんなバンドに巡り合えるのは、めったにない(この作品の日本発売にこぎつけてくれたKING RECORDSにこの場を借りて感謝します)。そして、彼らが最高のロック・バンドであることに気付くまでに、そう時間はかからないだろう。

Text by 大林 誠(大仁店)

『パール・ネックレス』
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キングレコード
発売中
CD
KICP-959
¥2,500(税込)

サウンドはPOPなエッジを持ったエモ系ギター・ロックだが、USバンドにありがちなヘヴィネス、ラウドネス一辺倒ではなく、いかにもUK然とした美しいメロディも兼ね備えているところが最大の特徴であり、武器でもある。エキサイティングで重要かつ有望な新人の登場。

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