ケイティー・ローズ

ARTIST PICK UP

ケイティー・ローズ

2004年、全世界ブレイクNo.1候補は17歳!
ただのティーン・ロックじゃない…。彼女に"本物"を感じること間違いなし!

(初出『Groovin'』2004年3月25日号)

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 2月都内某所。ボクは17歳の新人女性ロッカーに会いに行った。17歳といえば、ここ1年ほど20歳前半を含む10代のアーティスト<とりわけ女性の>の活躍には目を見張るものがある。例えば、ヒラリー・ダフ、ジョス・ストーン、フィフィ・ドブソン。あるいは昨年大ブレイクしたアヴリル・ラヴィーン。とにかくデビューするアーティストのほとんどが10代といってもいいほど。しかも、ただ若いというだけでなく年齢以上の力を持ったアーティストが多く、10代のアーティストがデビューするという話を耳にするとなんだか居ても立ってもいられなくワクワクしてしまう。
 さて、彼女とは…。1月に本国アメリカでデビューしたばかりのケイティ・ローズ。そのデビュー・アルバムは各音楽誌で高い評価を得て、今年のブレイクNo.1候補との呼び声も高い。ブレイク候補といっただけで大きな期待を抱いてしまうのだが、なによりも"反逆心に満ちたロッカー"だという。
 ステージ上には、少し低めに構えた黒のストラトを持った彼女が。心なしかそのストラトが大きく見えるほど華奢なシルエット。確かにここ最近のティーン・アーティストと違い、アイドル性よりも"生粋のロッカー"とも言うべき、今にも反乱でも起こしそうな空気が漂っている。パフォーマンスも数多くのライヴをこなしてきたビッグ・ネームのように堂々と、そして貫禄のあるものだった。明らかに彼女は違う!! この初来日の貴重なライヴ・パフォーマンスの場に居合わせることができた幸運に感謝。弱冠17歳にして、17歳とは思えないほどのパフォーマンス、そして何よりも彼女自身の魅力の源はいったい何なのであろうか。それは、きっと両親、そして育った環境にあることは明白だ。
 本作のプロデューサーであり、彼女と共に全曲作詞・作曲に関わり全面的にバックアップしているのが父親のキム・バラード。彼は元ポコのメンバーであり、CS&Nやアート・ガーファンクルのツアー・キーボーディストで、セッション・プレイヤーやプロデューサーとしても数多くのアーティストの作品に参加している。そして、母親もまた70年代に様々なアーティストのバック・シンガーとして活躍していたという。このような両親の元、ロサンゼルスで彼女は生まれ育った。「私みたいにL.A.で育つと、アッという間に大人になるのよ。セレブやメディアがそこら中にいたわ。だから私や友達は5歳でちっちゃな大人って感じだった」と彼女は言う。幼い頃から大人の世界のからくりを知ってしまったせいか、人生なるようになると考え、そしていつしか自滅的な行動をたくさんするようになったという。父親がツアーに明け暮れ、母親は落ち込み、自分は見捨てられたと感じ、その気持ちの捌け口としての曲作り。それゆえ、彼女が取り上げているテーマは「疎外感、困難な時期、模索、理想主義、そして傷心」。13歳の頃から、ソング・ライティングを、そして本作のレコーディングを始めた彼女。そこには思春期の、頭は大人、心は子供というアンバランスな感覚がリアルに表現されている。収録されている楽曲はギター・ロックを中心としながらもサイケあり、ガレージあり、ニュー・ウェイヴ、バラードありとヴァラエティに富んでいる。まず何よりもリード・シングルともなっている「Overdrive」を聴いてみて!彼女と同世代も、そして往年のロックおやじも…。絶対に損はさせないから。

Text by 常盤安信(横須賀佐原店)

『Because I Can』
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V2 Records
4月2日発売
CD
V2CP-180
¥1,980(税込)
※期間限定特別価格

2004年全世界で最もブレイクが期待されている17歳の女性ロッカー、ケイティのデビュー作。大人びた感情をどんなティーンの心の中にもある真剣な誠実さで表現した本作は、これまでのティーン・アーティストとは一線を画す"本物"なロック・アルバム。すみや特典として、先着でB2ポスタープレゼント。

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