ロットングラフティー

ARTIST PICK UP

ロットングラフティー

マジでヤバイ!更にかっこいい!!
言葉の妙と早口ヴォーカルと豪快なサウンドは正に俺様流!!
今、1番注目すべきなのは奴らに違いない!

(初出『Groovin'』2004年4月25日号)

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 何コレッ!?ヤバイじゃん!! 頭の後ろからガツンとやられた気分だよ。恐ろしくかっこいい、そんな風に感じた。何て言ったらいいのかなぁ?握り拳を頭上に振りかざし、思わず親指立ててグーってやりたくなる感じ?怒涛のドラムに走れ走れ!と煽り立てるギター、早口に毒を吐きまくるツイン・ヴォーカル。息をつかせぬ疾走感にやられっぱなし!! 教授こと坂本龍一お墨付きの「悪巧み〜Merry Christmas Mr. Lawrence〜」には、思わずにやり(笑)…。
 3〜4年前からなのかな、古都・京都から発信され続ける活きのいい音楽の数々。今、メジャーで活躍しているアーティストの中でも、実は京都を基盤としていた、なんて人が多いんだよね。知ってた?今"京都系"と言われているのを。何年か前の"渋谷系"をイメージして構わないと思うけど、"渋谷系"よりも音楽的ジャンルは統一されてる訳じゃないく、もっと個々に深みがあると思う。土地柄もあるかもしれない。歴史が渦巻く古い街並み、おまじないとか伝統とかが身近にあっても新しい事が大好きな人々が住む街、それが京都だと思う。そんな街に住む多くの学生達が新しいものを見つけるパワーは凄い。学生達から発信された音楽は、"京都系"といわれる音楽と深い関わりがあるんだろう。
 ところでこのロットンのアルバムだけど、伝統が流れ、京都でしか作りえない"京都系"の流れの中にあるのに、他とは少し異なる気がするんだよね。メロディアスなギターと豪胆、爆音ドラムが物凄くいい!そんな怒涛のサウンドのアレンジは何処となく「和」をイメージさせる。生きて行く中で染み込んだ「和」の音はなんとなく懐かしく、そして愛しい。伝統=アナログ+先進性=デジタルを、上手にミクスチャーというジャンルの中に溶け込ませている。そんな枠に収まりきれないパワーや可能性をこのアルバムに秘めているんじゃないのかな。何かヤバイんだよ、とにかく。ツイン・ヴォーカルとサウンドにおける緩急の差っていうのがはっきりしていて、ひねくれというか、もう確信犯。更には全く守りに入らない言葉の妙だったり、ロットン流造語の連発は毒を吐き続けるんだけど、実はコレってそ〜なんじゃないの?と頷けてしまうし、納得させられちゃうんだよね。世の中、僻んだってしょうがないでしょ、豪快に笑い飛ばしちゃえばいいじゃん!ってね。
 ジャンルにとらわれない自由さが気持ちいい『CL∀SSICK』。こういう心の自由さって、好きだなぁ…色んな引き出しに詰め込んだありったけの思いを、ロックにシャウトして時にはアンビエントなバラードを歌う。ラガ・スタイルのヴォーカルだって時に切ない。そして鋭い視点から描くナツカしくてアタラしい事。キーワードは現在と未来…つまり「時間」だと思う。今、何を思うのか?って事なんじゃないのかな。一曲目から炸裂するビートとスペース・サウンドに酔いしれつつ、ドラマティックな展開と怒涛のドラムに走れ走れと追いたてられながらも心に残る懐かしさ…。古都からの確かな息遣いに、パワーを貰ったぜ!

Text by 有田幸恵(藤枝瀬戸新屋店)

『CL∀SSICK』
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キングレコード
発売中
CD
KICS-1079
¥2,800(税込)

古都・京都の懐かしくて新しいもの。ロットン流造語の中に見え隠れする未来を示す言葉。ラガ・スタイルのツイン・ヴォーカルと怒涛のサウンドは、マジでヤバイ!ド迫力な最高傑作、息をつかせぬ疾走感と毒混じりの説得力あるサウンドにヤラレタ!! 6月12日(土)には、O-EAST(東京)でワンマン・ライヴも決定、絶対見逃すな!!!

【ロットングラフティー オフィシャルサイト】http://rotten-g.com/

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