ランクヘッド

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ランクヘッド

「負け犬でもいいから逃げ出したい」と訴える実直な姿勢こそが強さの証、
この叫び、誰もが抱える心の影へと突き刺さす!
ランクヘッド、待望の1stフル・アルバムをリリース。

(初出『Groovin'』2004年6月25日号)

ランクヘッド-A.jpg 平均年齢23歳の4ピース・バンド、ランクヘッド。高校の同級生だった4人が高校卒業記念ライヴをきっかけにバンドを結成、それぞれの音楽人生がゆるやかに始まった。翌年には活動拠点を東京に移し、精力的にライヴ活動を重ね、インディーズ・シーンでも着実に人気を集めるようになる。そして今年1月にシングル『白い声』でメジャー・デビュー。ノンタイアップながらもオリコン・チャート50位を記録するなど、注目度は加速の一途を辿る。そんな勢いをより勇み立てるべく6月23日、いよいよ待望の1stアルバム『地図』がリリースされた。
 孤独を恐れるが、それでも独りで生きていく強さを欲するという矛盾。12曲からなる本作全ての言葉や音から感じる。何だか哲学的で、一見偏屈にも思えるような言葉の数々だが、ランクヘッドは実に正直者なのだと思う。強がりが一切ない。ただ口にしたり行動に出すか否かというだけであり、誰しもがこの矛盾と背中合わせに生きていると思う。大人になると妙な自立心から、どこまで人に寄りかかっていいのかと迷ってしまう。物差しがない分、人の尺度もそれぞれ。だから弱い心は無理にでも強い鎧を身につけたがる。でも彼らは違う。「正直者は損をする」なんて言葉があるけれど、彼らに限っては損なんてひとつも思わない。むしろその実直すぎる表現こそが、彼らの強さを象徴しているのだから。「真っ白なままで生きたい」という思いに「白ほど染められやすい色はない」といえる強さを持っているのだから…。現実を知ってしまった希望はどうなるのか、どの言葉も日々を必至に生きている人であれば、綺麗事ナシの丸裸の言葉に痛みと共感を覚えるはず。
 今の彼らに答えがある訳ではない。今なお、音楽というフィルターを通して矛盾に対する答えを探して続けている。繊細な心はメロディーに宿り、模索するがむしゃらな思いは疾走するダイナミックなサウンドとなりエネルギーを爆発させる。きっと彼らも、聴き手に音を届ける事で孤独をかき消し、世の中と繋がっている事を実感しているのではないだろうか。孤独ではない、と思える音。これって、作り手と聴き手のいい関係、って事だよね。

Text by 浜田幸子(編集部)

『地図』
ランクヘッド-J.jpg




ビクターエンタテインメント
発売中
CD
VICL-61417
¥3,045(税込)

インディーズ時代から話題だったランクヘッドがついに1stアルバムをリリース。矛盾に悩み、迷い、葛藤する孤独な言葉の数々と、答えを模索するかのダイナミックなロック・サウンドが印象的。また、初回生産分のみ、「白い声」のセルフ・ブートレックCD(8cm)を封入。

【ランクヘッド OFFICIAL WEBSITE】http://www.lunkhead.jp/

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