FAKE?

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FAKE?

元Oblivion DustのKEN LLOYDと、元LUNA SEAのINORANからなる
ロック・バンドFAKE?が待望の3rdアルバムをドロップ!
洋楽・邦楽の枠を飛び越えた彼らのロック・スタイルを体感せよ!

(初出『Groovin'』2004年6月25日号)

FAKE?-A.jpg FAKE?はJ-ROCKシーンで特異な存在だ。Oblivion Dustのフロント・マンとして異彩を放ったロンドン出身(英国人の父、日本人の母をもつハーフ)のKEN LLOYDと、LUNA SEAのカリスマ・ギタリストとしてのプレイはもとより優れたコンポーザーとしても鳴らしたINORANという、超個性的な顔合わせによって醸し出される風格は、洋楽・邦楽の枠を飛び越えたダイナミズムに溢れている。そのスケール感たるや、他バンドの追随を許さないと言ってもいい。実際に、巨大フェス"サマーソニック"への出演や、ガンズ・アンド・ローゼズの香港公演のオープニング・アクトとしてのステージなど、海外アーティストと交わる機会も多く、世界的なビッグ・ネームらと肩を並べた堂々たるパフォーマンスを繰り広げてきた。また、なにかと奇をてらったアプローチのロック・バンドも多い中、あくまでオルタナティヴ・ロックやミクスチャー・ロックといったジャンルをストレートに突き詰める彼らのスタイルも、この日本のシーンで非常に貴重なものとして映る。
 さて、そんなFAKE?。昨年のリリースはというと、2ndアルバム『TOMORROW TODAY』のみに留まり、ファンにとっては少々寂しい1年となったわけだが、今年に入ってから彼らの周辺はにわかに騒がしくなってきているようだ。3月のミニ・アルバム『New Skin』、4月のシングル『Praise』に続き、待望の3rdアルバム『THE ART OF LOSING TOUCH』を先日ドロップし、まさにスイッチをパチンと切り替えたかのようなリリース・ラッシュだ。思えば、2004年第1弾となった『New Skin』のジャケは、飛行機を足元にした巨大化(?)したメンバーが青空の下で彼方を見つめているという、リスタート的な意味合いを強く感じるものであった。これまではどちらかというと抽象的なジャケが多かっただけに、そのシンプル&大胆な構図からはある種の"フッキレ感"が伝わってきた。確かに、所属レコード・メーカーの移籍など実質的な変化もあったわけで、心機一転といったところなのかもしれない。
 そして、約1年半ぶりとなる3枚目のフル・アルバム『THE ART OF LOSING TOUCH』は、その心意気に相応しい内容となった。テレビ東京系アニメ「アクアキッズ」のオープニング・テーマに起用された「Praise」を始めとするアップ・チューンでは、重厚なギター・サウンドにますます磨きがかかり、高揚感満点の仕上がり。対するミディアム・チューンは、繊細で夢幻的な旋律を聴かせる。そういった振り幅の広さは、別々のキャリアを歩んできた2人の感性のなせる技なのだろう。また、日本語とネイティヴな英語を自在に操るKEN LLOYDのヴォーカルにも更に深みが増した。激しさと切なさが背中合わせになったような歌声は、とにかく魅惑的だ。このニュー・アルバムを引っ提げた全国ツアー「TOUR OF LOSING TOUCH」も、6/29の名古屋ボトムラインを皮切りにスタートするという。これからも進化し続けていくFAKE?の"現在"を、ぜひとも肌で感じてみて欲しい。

Text by 池 佐和子

『THE ART OF LOSING TOUCH』
FAKE?-J.jpg




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CD+DVD
TKCA-72689
¥3,000(税込)

『TOMORROW TODAY』以来、約1年半ぶりとなる3枚目のオリジナル・フル・アルバム。英語詞の楽曲が大きなウェートを占め、洋楽ファンにも充分にアピールできる重厚な仕上がり。初回限定盤のみ「NEW SKIN」のPVを収録したDVD付き。

【FAKE? official website】http://www.hedfuc.com/

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