宇多田ヒカル

2月に日本武道館にて5日間に渡り行われた、ライヴ「Utada Hikaru in Budokan 2004 "ヒカルの5"」の模様と「誰かの願いが叶うころ」のDVDシングルが同日発売。
いずれも「音楽」の枠を大きく超えた芸術作品だ。

（初出『Groovin'』2004年7月25日号）

　 5日間もあったのに、なんで行けなかったんだあ〜「ヒカルの5」（泣）。あぁ〜見たかったよぉ生ヒッキー…。次はいつなんだろう…次は行けるかなあ…行きたいなあ…。
　と、嘆いていたみなさまにうれしいお知らせです。出ます。「ヒカルの5」。しっかり見せます、リハの模様から舞台裏まで！ライヴ映像は2月3、4、7、8、10日の5日間のうちの7、8、10日の3公演の中から曲ごとにベスト・パフォーマンスをセレクト。いろんな衣装のヒッキーが見られます。しかもボーナス・トラックも含め3公演のすべてのMCを収録！これは必見です！ヒッキーの魅力をあげるときりがないですが、私が個人的に好きなところは、歌っている時とそうでない時とのギャップ！歌っている彼女は歌姫の貫禄充分で、その歌唱力にも圧倒されますよね。どの曲も素晴らしいし、歌詞の内容もぐぐっと心に刺さってきて…。…が！MCになるやいなや、あれあれ？そわそわキョロキョロ落ち着かない様子。「どうしたらいいんだろ…なんか今日の私ヘンだあー！」とか言って、客席から「がんばれー」とか言われたりして。そりゃもう、かわいいったらありゃしない！30過ぎたお姉さんでも「ギュウッ」てしたくなるくらいなんだから。もうたまりません。何度でも観てしまいます。そしてますますヒッキーのことが好きになっちゃいます。次は絶対ライヴ行くぞ！と気合入ること間違い無し！
　そして同日発売される「誰かの願いが叶うころ」のDVDシングル。これがまたすごい！もちろん、紀里谷監督作品でございます。映画「CASSHERN」のテーマ・ソングにふさわしく、映画出演者から寺尾聰、樋口可南子、及川光博、要潤の4人が出演。そこに一人娘ヒッキーが加わり「家族」のできあがり。豪華！こんな美しい家族見たこと無い！（ミッチーがお兄ちゃん…うらやましい…）溜息ものです。しかも、この面子に加わっているヒッキーの自然なことといったら！さらに女優も真っ青なほどの演技力。微妙な表情に釘付け！やっぱり一番身近な人が側にいる安心感でしょうか、リラックスした一番いい表情なんだろうなあ。これぞ愛の力！そして紀里谷マジックのなせる技なのでしょう。もう溜息つきどおし、口あけっぱなし状態を覚悟でどうぞ。モノクロの絵本の中の世界…そこに映し出される「家族」を構成する人間の姿、愛、そして…全てがなんとも神秘的でいてとても身近にも見える…この不思議な感覚は何だろう…。「DVDシングル」の枠を超えた芸術作品としても一見の価値あり！ぜひたくさんの人に観てほしい！
　あまりにのめり込み過ぎてかなりネタバレの感がありますが、2タイトルともかなりの見ごたえです。ヒッキー曰く「覚悟はいいかーっ??」しっかり気合い入れて、ご覧下さい。

Text by 二宮万里（編集部）