Utada

SPECIAL SELECTION

Utada

10月5日の全米デビュー、そして9月8日の日本先行発売が決定! 
いよいよ、Utadaのアルバム『EXODUS』が私たちの元に届けられる。
今作は2004年の音楽シーンで最も注目を浴びる作品になるだろう。

(初出『Groovin'』2004年8月25日号)

Utada-A.jpg どんなアルバムなのだろう。きっと日本中の誰もが"彼女"の新しい作品に期待をふくらませていたに違いない。"Utada"として全米デビューを飾る記念すべきアルバム『EXODUS』。このアルバムには今まで私たちが聴いたことがない彼女の新しい音楽が刻まれている。
 「いつも通り前もってコンセプトとかテーマを作って作り始めたわけじゃなくて…。曲を作るにしても何にしても、結局自分が始めないと始まんないじゃない?」
 曲作りがスタートしたのは、一昨年の夏。ちょうど術後回復で療養している時だった。
 「いちばん最初に出来たのが「Animato」ってやつで…。おぉ〜、なんか私らしくて濃いのができたよ〜、絶対に他に誰もこんなの作らないだろうなあって曲だった。で、その次が「Tippy Toe」で、それは割とその頃の普通っぽい感じの曲で…。たぶん、濃い「Animato」の反動だったのかも」
 いくつかの曲がたまったらスタジオに入り、何曲かの作業を同時進行させながら、また新しい曲を作っていく。そんな作業を繰り返すなかで、ゆっくりじっくり『EXODUS』は完成へと向かっていった。
 「どう見たって私は金髪じゃないし(笑)、英語は話せるけど日本人の女の子だし。それこそ、こんな私がどうやって(アメリカの音楽シーンに)入っていくんだろう?ってなると、あまりにも異色すぎても、ただ変わった人だねで終っちゃうし、100%慣れ親しみのないものってやっぱり受け入れにくいと思ったのね。でも、なんかこう…、ある程度こっちの文化とかいろいろ私なりにわかってる中で私だからできる事っていうか。アメリカの人にとっても、あっ何かわかる部分がある!って感じるんだけど、どうもこの子はちょっと他と違ってて新しいよねとか、おもしろいよねって思ってくれたらいいなぁと思った」
 Utadaだからできること。ティンバランドと一緒に作った3曲も、今のアメリカの音楽シーンでは珍しい(!?)ストーリー性のある感慨深い歌詞も、遊び心たっぷりなジョークも、彼女への興味を高めてくれる。そう、それは日本のファンの人達にとっても"新鮮"に感じられるものだと思う。
 「日本のファンの人たちが言うのね。私のCDを聴いてると、この曲が好きだっていうのがその時々で変わるって…。好きな曲が何回も何回も別の曲に変わって、戻って、また変わるって言うの。なんかね、『EXODUS』の曲もそんな風に好きになってもらえたらいいなぁ。今のところはコレだけど、もっと聴いてみないと、どれが好きかわかんないよって、何回も何回も聴いて好きな曲をその時々で見つけてくれたら嬉しい」
 何も決して特別な事を"Utada"はやっているわけじゃない。名義が違うからとか市場がアメリカになったからと言って、"彼女"の音楽に対するスタンスが変わったわけじゃない。
 「え? 宇多田ヒカル? 何それ? Japanese? NO!なぁーんてないから(笑)。もうね…、全米デビューを前に何ですけども(笑)。今ね、日本語の歌詞を書きたくってしょうがないのよ!! 書きたくってしょうがねえ〜!! ホント、反動だと思う、自分でも。そういう風に常に私って同時に振り子を揺らしてるんだと思う。うん。そうやっていつも歩いて、前に進んでるんだと思うよ」

Text by 松浦靖恵

『EXODUS』
Utada-J.jpg




ユニバーサル インターナショナル
9月8日発売
CD
UICL-1046
¥3,000(税込)

Utada、10月5日の全米デビューに先駆け、4週間先行で日本盤をリリース。ラジオ等で、すでにオンエアされている話題のリード・ナンバー「Easy Breezy」を含む全14曲。日本のみならず、世界が注目する作品になる事間違いナシ!日本盤のみスリーブ・ケース、スペシャル・ブックレット仕様。

【Utada 公式サイト】http://www.utada.jp/

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