SOFFet

今年の夏は暑すぎるっ！それにも負けず世間は常夏ハッピー…。
ビーチで夏を満喫するアナタに、ヴァカンス不足のインドア・ライフのアナタにも
スウィンギン・ブラザーズ、SOFFetがとびきりのビタミンをお届けします！

（初出『Groovin'』2004年8月25日号）

　皆様もご存知の通りですが…今年の夏は暑過ぎるっ！ななな…なんなのだ？頭も体もグッタリ、連日沸点に到達しそうな猛暑である（まったく…異常気象なんて言葉では、納得出来ませんよぅ…森田さーん）。そもそも梅雨があったのかいな？とお尋ねしたいところでもあるが、とにかくこの予想外の"2004年夏長期化計画"に、体内時計は狂ってしまった…。そう、暑さによるのぼせたハイテンションは、夏休みを待たずに早々とヴァカンス・モードへとベクトルが加速し始めているのである。クリアな青空、真っ白な入道雲、これで目の前に海でも広がれば…妄想は暴走、あぁ今にも海へと駆け出したい。なのに目の前に広がるのは、ちらかった机と書類の山、そしてアイコンだらけのPCが熱を発して立ち上がっている…。私が欲している熱はこんなのではなーい！ギラギラな太陽よ！裸足で歩くとアチチな砂浜よ!! 灼熱の太陽をたっぷり浴びた日の夕暮れ時の火照った体なのよぉぉ〜!!!
　…といった空回りな日々は延々と繰り返し、結局のところ都会のアスファルトを踏みしめ、クーラーの効いた会社で色白な社会人ライフを送っている訳だが、そんな悶々とした私にとびきりのビタミン剤が届けられた。それが今回ご紹介する、YoYoとGooFからなる男性スウィング・ラップ・ユニット、SOFFetの2ndアルバム『SWINGIN' BROTHERS』である。これがまた耳心地良く、全編に広がる"SOFFet'sワンダーランド"が、乾いた心をたっぷりと潤してくれるのである。M-1「Opening」から、これから始まる数々の楽しいアトラクションを期待させる愉快なトラックが迎えてくれる。ちょっぴりバテ気味な心が一気に目覚めたところで、 M-2「SWINGIN' BROTHERS」が、SOFFetというユニットの魅力を明快にナヴィゲーション。ヒップ・ホップのみならず、彼らの得意とするジャズ・フレイヴァーは、よりポップなエッセンスとなり、個性的なポップ・ラップとして確立している。軽快なスウィングと舌妙（あえて）のMCの掛け合いに、自然と体はレッツ・スウィング〜。そして先行シングル「Private Beach」は、文句無しのサマー・キラー・チューン。潮騒までも聴こえてきそうな夏の情景を絡めた"ひと夏の恋"をボッサ調のビートにのせて召し上がれ。その他にも、遅刻癖のある彼のデートの待ち合わせまでの秒刻みのハラハラを描いた「What time is it now？」はカントリー・テイストで、「優しい風」「タイル」などは、ラップにとらわれず、メロディーにのせて伸び伸びと歌う姿に意表を突かれつつも、2人の和みのオーラにホッとブレイク…。「〜ファンファン大佐 Ⅱ世〜」では下町兄弟をフィーチャーして、わかる〜と思わず頷いてしまう"やっちゃった！"的エピソードを盛り込んだMCリレーがコミカルに展開。隙の無い随所に表れる遊び心、ゆったりとしたジャジーな響きに、きっとアナタも最高の"脳内ヴァケイション"を体感出来るはず。
　あぁ…きっとビーチで聴く（しかも夕暮れムード満点時）『SWINGIN' BROTHERS』は最高だろうなぁ。何時かくるその日まで…このアルバムに元気をもらいながら、イメージ・トレーニングと参りましょう（笑）。

Text by 浜田幸子（編集部）