ザ・グッバイ

ARTIST PICK UP

ザ・グッバイ

全国100万人の隠れファンの人達よ、待たせてSORRY!!
ベスト・アルバム&DVD、全オリジナル・アルバムのリマスター再発がスタート!
日本の"裏ビートルズ"The Good-Byeの再評価の時が遂にやってきた!!!

(初出『Groovin'』2004年8月25日号)

ザ・グッバイ-A.jpg 好きだったなあ。ザ・グッバイ。80年代初頭、ビートルズにドップリとハマっていた僕はビートルズ的なモノを全て追いかけていた。そんな時に飛び込んできた日本の4人のアイドル達。洋楽に興味がない周りの友達は、すでに人気絶頂だった他の"たのきん"のメンバー("た"と"きん"ですね)と比べてはザ・グッバイを失笑気味に見ていたが、僕には操り人形的に"やらされてる感"が漂う他のアイドル達よりは、好きなことを素直にやっているヨッちゃん達がやたらカッコよく見えた。それに何と言っても60年代ポップス風楽曲を自分達で作詞・作曲して演奏もするアイドルなんて当時はいなかったし…(同時期、後にC-C-Bとなるココナッツ・ボーイズがビーチ・ボーイズやフォー・シーズンズ風の音楽性でデビューしたけど彼らは基本的には自分達で曲は作っていなかった。チェッカーズも、ね)。もちろん今では"それ相応"の人達がスタッフとして彼らをバックアップしていたからこその音楽コンセプトだったことも理解しているけど、それらを完璧に表現することができたのはやっぱりメンバーの音楽への情熱が凄かったからだと思う。
 さてそんなザ・グッバイの再評価の時が遂にきた。すでに8/21に2枚組ベスト・アルバム&DVD(過去にVHSで発売された映像3作品を3in1でDVD化)がリリースされ、9/22には9枚の全オリジナル・アルバムがリマスター再発(未発表&未CD化音源を含むボーナス・トラックを収録)されるというから快挙だ。僕も当時買い漏らしたオリジナル盤を中古で探していたクチなので、このニュースには感慨も一塩。
 今回改めてベスト盤を聴いてみて思ったのは、その作曲&アレンジ能力の高さ。ビートルズはもちろん、ビーチ・ボーイズやフィル・スペクター、ドゥー・ワップといったアメリカン・ポップス、更にはナイアガラ系からの影響を目一杯詰め込んだ、質の高いポップスを創り出したヨッちゃん(野村義男)&ヤッチン(曽我泰久)の2トップは、ジェフ・リン=ロイ・ウッド、ニック・ロウ=デイヴ・エドモンズ、杉真理=松尾清憲なんて人達の系譜で語るべき才能だと確認した次第。好きな曲を挙げていくとキリがないが、いきなり「ダ・ドゥ・ロンロン」〜「ウララカ」なイントロの「浮気なロンリーガール」、甘いヤッチンのヴォーカル・パートが大好きだったサーフィン系ロックン・ロール「YOU惑−MAY惑」、タイトルも曲調も杉真理が須藤薫に書き送った曲を思い出させる「LOVE AGAIN」、初期ビートルズの過激さ&甘酸っぱさを完璧に再生させた「にくめないのがニクイのサ」、冒頭のリフはバッドフィンガー「嵐の恋」で間奏はビートルズ「エニイ・タイム・アット・オール」という凝りようの「とLOVEるジェネレーション」、ELO風味全開の「浪漫幻夢(Romantic Game)」、個人的な一押し!アラン・パーソンズ・プロジェクトの超名曲「ドント・アンサー・ミー」を彷彿とさせるスペクター・サウンド風の甘いナンバー「Lonely Night」、竹内まりやの「マージービートで歌わせて」と対で聴きたい「マージービートで抱きしめたい」、ロイ・ウッド的ゴッタ煮サウンドが堪らない「Good Lovin'」等等等…、洋楽マニアなあなたにこそ聴いて貰いたい全44曲、これぞポップスの万華鏡!
 ああ、もう字数が無くなっちゃったので最後に一言、全国100万人のザ・グッバイ隠れファンの人達よ、今こそ大声で叫ぼう。「ザ・グッバイが好きだーっ!!」

Text by 高瀬康一(編集部)

『READY! STEADY!! THE GOOD-BYE!!!』
ザ・グッドバイ-J.jpg



ビクターエンタテインメント
発売中
CD(2枚組)
VICL-61462〜3
¥3,200(税込)

グッバイ・マニアを自認する能地祐子、本秀康両氏が選びに選び抜いた究極の2枚組ベスト。「ハード」と「ポップ」のバランスも納得の"分かってらっしゃる"選曲はさすが!ジャケットはもちろん本画伯描き下ろし。初回プレス分のみ、極上マテリアルパッケージ仕様+アルバムジャケット・ステッカー封入。

inserted by FC2 system