河口恭吾

ARTIST PICK UP

河口恭吾

待望のニュー・アルバムは、シングル「桜」「愛の歌」「水曜日の朝」を含む、
夏の終わりから冬にかけてピッタリな、雰囲気いっぱいの全11曲。
ボーナス・トラックには、ドラマ「人間の証明」の主題歌「A Place In The Sun」を収録!

(初出『Groovin'』2004年9月25日号)

河口恭吾-A.jpg アーティストには2つのタイプがあると思う。非日常の世界を伝えるタイプと、日常の何気ない風景を伝えるタイプと。河口恭吾は断然後者だろう。未だロング・セールを続ける「桜」「愛の歌」などヒット曲を連発し、有線音楽賞受賞アーティストという非日常的な顔を持ちながらも、朝起きて買い物に行ってビール飲みながらパスタ茹でたり…なんて日常の姿が見えてしまいそうな、隣のお兄さん的な感覚が彼の大きな魅力なのではないか思う。全国の卒業式で歌われた「桜」、ウェディング・ソングの新しい定番曲になりつつある「愛の歌」、「忙しく日々をがんばっている君がとても好きだから」と頑張る人への応援ソング「水曜日の朝」など、河口恭吾の書く歌には、聴く人の心にじんわりと染み入るものが多い。
 そして秋の気配を感じ始める9月23日、河口恭吾のニュー・アルバム『日々燦々』が発売された。レコード会社を移籍して初のフル・アルバムとなる今作は、今までリリースされたシングル曲を含めて11曲収録されており、夏の終わりから冬にかけてピッタリな雰囲気に包まれている。冒頭の「桜」から全体的にゆったりとした感じで耳なじみの良い曲が多く、「小さい子供にも歌ってもらえる曲を作りたい」という思いを込めて作られた"河口恭吾風童謡"の「空と自転車」は、深町純のピアノと河口恭吾の歌声のみで構成されたシンプルな作り。冬の訪れと共に過ぎ去った思い出が回想される「冬の匂い」や、「君のかわりなんてどこにもいないのに 君に良く似た人をいつも探してしまう」と、失恋で凹んでいながら強がってしまう「どこにもいない」などは、「あるあるこんな感じ…」と思わず呟いてしまう共感と好感が持てる内容となっている。タイトルどおり「休憩中に"ちょっと"録ってみました」とリラックス・ムードな「休憩」は、個人的にはアルバム中最もフェイヴァリットな1曲であり、今までの河口恭吾のイメージががらりと変わりそうなブルース風のサウンドが心地よい。「桜」の流れを引き継ぐ応援ソングのような「くちぶえ」、ユーミンの「海を見ていた午後」を何となく連想させる「無常」「さかさまの雨」などヴァラエティーに富んだ曲が続き、「愛の歌(Ukulele Ver.)」は何とウクレレとギターのみで演奏され、シングル・ヴァージョンとはまた違った優しさがあふれるサウンドになっている。またボーナス・トラックとして収録されるスティーヴィー・ワンダーのカヴァー曲「A Place In The Sun」はKyogo Kawaguchi名義でリリースされ、ドラマ「人間の証明」主題歌として話題となった。河口恭吾のフェイヴァリット・アーティストであり、歌手を志すきっかけともなったスティーヴィー・ワンダーのカヴァー曲というだけあって、オリジナル曲の持つテイストは生かしつつも、河口恭吾の色もしっかり出ているのではないかと思う。
 「ありふれた日々の感情を歌にしていきたい」と言葉やサウンドを大切に選びながら「聴いた人が喜んでくれること」を考えて制作にあたり、ようやく完成されたニュー・アルバム『日々燦々』。人との出会いによって様々な空気を感じ取って歌にしていくという彼の歌心が、このアルバムによって更に多くの人に伝わる事はとても嬉しいと思う。

Text by 大野裕子(パルシェ店)

『日々燦々』
河口恭吾-J.jpg




ワーナーミュージック・ジャパン
発売中
CD
WPCL-10123
¥3,059(税込)

ファンのみなさま、お待たせいたしました!河口恭吾、待望のニュー・アルバム『日々燦々』がリリース。「ありふれた日々の感情を歌にしていきたい」と、言葉やサウンドを大切に選びながら「聴いた人が喜んでくれること」を考えて制作された、彼の優しさがたっぷり詰まった1枚。

【河口恭吾 official web site】http://www.miraclebus.com/kyogo/

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