Miz

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Miz

「New Day」で鮮烈にデビューを飾ったMizが、早くも1stフル・アルバムをリリース!
まだ見ぬ世界を夢見て、晴天の好日、風をきって走り始めるようなすがすがしい1枚、
新しい日は君にもきっと来るさ!

(初出『Groovin'』2004年9月25日号)

 Mizのデビュー・シングル「New Day」は衝撃的だったなぁ。液晶テレビのCMソングとして流れている、耳に残る心地よいメロディーとヴォーカル。あれは誰?なんて言ってたら、程なくしてFMでも軒並みパワー・プレイになっていて、これはくる!と思ったときはもうすでにキテました…。発売後、そのうちミュージックステーションとか出たら大変なことになるぞ、と思っていたら、発売週に出ていました……。なんともプロのCD屋の私としては後手後手の展開となってしまい、お恥ずかしい限りだったのですが、そんな中、この待望の1stアルバム『Say It's Forever』を一足早く手に取る事となりました。
 まず、M-①「New Day」M-②「Waiting for」とシングルとなった2曲から始まり、そのあとは壮大なバラードあり、ソリッドなロック・ナンバーありのヴァラエティーにとんだ内容。5曲目のインストをはさんで、6曲目よりはグローバル・スタンダードを体現するかのような、英詞基調の楽曲が並び、それもM-⑦の「Dreams」のような疾走感あふれるハード・ロック調のものや、うって変わってウィスパー・ヴォイスが冴え渡るM-⑧「Not You」のようなR&Bテイストのスロー・ナンバーまで様々な内容。シャウト系も歌い上げ系もなんでもOKなのね、と思ってしまうレンジの広さ、これはほんとスゴイです。しかも、よくありがちな「気負い」「ケレン味」のようなものは感じられず、あくまで自然体。楽曲を理解した上で、湧き出てくる感情をそのままストレートに歌に乗せているような感じがします。それは宮崎駿作品のサントラ(久石譲ということか?)から始まり、アラニス・モリセットやローリン・ヒル、さらにはハード・ロック、パンクと幅広い音楽を消化していることに由来し、引き出しの多い、彼女だからこそ成せる業なのかも。また、スウェーデンの作家陣による楽曲も秀逸。Mizの生まれ育った北海道の息吹きとシンクロさせるためにはやっぱりスウェーデンじゃなきゃだめなんだろうな、と思えるくらいの絶妙なコラボレーションといえます。
 ところで、今も昔も日本のアーティストはやっぱり洋楽に近づきたい、という思い(憧れ?)がどうしてもあるように思います。いや、音楽だけでなく、先日終わったオリンピックも含め、あらゆる事象にそれは付いて回ります。だから「世界を相手にする」という気負いが、多くの日本人のプレッシャーに繋がっているような気がするのです。見ている方も外人とタメ口きいているアーティストを見ると、なんともいえない気恥ずかしさをおぼえたりしてしまいます(故・ナンシー関さんもそんな事を書いていました)。でもMizにおいては、何か嫌味がない。というか、とても自然なんです。外国人とのコラボレーションだと、どうしてもToo Muchだったり、場合によっては全く反映されてなかったりしがちですけど、彼女はあくまでサラっと、自然に良いところを出している。そんな自然体もまた、彼女の魅力の1つなんでしょう。
 とにもかくにも、まずは聴いてみてください。きっとあなたに、素晴らしく自然な爽快感と、エネルギー、そしてそこから"New Day"が訪れますよ。

Text by 松本真一(小田原なるだ店)

『Say It's Forever』
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ビクターエンタテインメント
発売中
[初回盤]DVD付 VIZL-125 ¥3,675(税込)
[通常盤]VICL-69115 ¥3,045(税込)

先行のシングル2枚を含む、待望の1stアルバム。爽やかなポップ・ナンバーから、ヘヴィーなロックまで幅広い内容の全13曲。全曲スウェーデンのプロデューサーとのコラボレーションによるもの。初回限定盤は「New Day」「Waiting for」のPVなど特典映像を収録したDVD付き。

【Miz Official Blog】http://ameblo.jp/mizrock/

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