ブライアン・ウィルソン/ビーチ・ボーイズ

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これは洋楽ファンにとっては、大きな事件!なんとあのビーチ・ボーイズの幻のアルバム『スマイル』(※註)が、当時その制作の中心を担っていたブライアン・ウィルソン本人によって新録音され、21世紀の現在に遂に我々の前に姿を現すことになった。オリジナルは長らく未発表だっただけに、今作にも様々な憶測と期待の声が飛び交っている。しかし新録『スマイル』は、ファンの期待以上の素晴らしい出来だった!そこでこのコーナーでは『スマイル』と共に、最近のブライアン・ウィルソン、そしてビーチ・ボーイズの今までの活動をより深く理解するために、チェックしておきたい作品をピック・アップしてみた。

(初出『Groovin'』2004年9月25日号)
Text by 土橋一夫(編集部)

(※註)『スマイル』とは?
元々『スマイル』は、66年のビーチ・ボーイズのアルバム『ペット・サウンズ』に続いて制作されたもので、ブライアン・ウィルソンが『ペット・サウンズ』で掴んだノウハウを最大限生かし、ストリングスやブラスなどを効果的に配した壮大なロック・シンフォニー的な作品として完成するはずだった。しかし当時のブライアンの不安定な精神的状況も災いし、限界を感じたブライアンは制作を途中で断念。そのため幻のアルバムとして今日まで語り継がれてきた。そこに収録されるはずだった何曲かはその後のビーチ・ボーイズのアルバム『スマイリー・スマイル』や『サーフズ・アップ』などで形を新たにし陽の目を見たが、未発表のまま今回の新録『スマイル』で初めて公式に発表された曲もある。

ブライアン・ウィルソン『スマイル』
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ワーナーミュージック・ジャパン
10月6日発売
CD
WPCR-11916
¥2,625(税込)



本来なら67年に発表、つまりビーチ・ボーイズの『ペット・サウンズ』の次作として制作されていながら、数々の事情でオクラ入りとなったあの幻の『スマイル』が、2004年の今初めて全貌を明らかにする。しかもブライアン・ウィルソンのソロ名義の新録作品として。このニュースに世界中のファンは驚いた。しかしその内容は、37年前のコンセプトでありながら新しさを感じさせる、まさに唯一無二の優れたもの!当時ブライアンが考え実践したものがいかに斬新かつ最先端のものであったのかを、本作を聴いて実感して欲しい。楽曲の美しさ、楽器編成、コーラス・ワーク、どれをとっても素晴らしいの一言。なお日本盤にはボーナス・トラックを2曲(インスト)追加。

ブライアン・ウィルソン
『ゲティン・イン・オーヴァー・マイ・ヘッド』
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ワーナーミュージック・ジャパン
発売中
CD
WPCR-11886
¥2,520(税込)

エルトン・ジョン、エリック・クラプトン、ポール・マッカートニーといった大物ゲストを迎えて録音された新曲と、今まで未発表だった作品の新録を組み合わせて制作され、『スマイル』に先駆けて発表された本作は、現在でも変わらぬブライアンの才能の煌めきを感じる佳作揃い。亡き弟カールと歌う「ソウル・サーチン」は感動的。

ザ・ビーチ・ボーイズ
『スマイリー・スマイル』
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東芝EMI
発売中
CD
TOCP-53171
¥1,800(税込)

『スマイル』を断念したビーチ・ボーイズは、そのコンセプトを引きずりつつも67年に本作を完成させた。全米1位を獲得した「グッド・ヴァイブレーション」や、「英雄と悪漢」「ヴェジタブル」「ウィンド・チャイムス」「ワンダフル」など、本来『スマイル』に収録される予定だった作品を収めた、興味深い内容だ。

ザ・ビーチ・ボーイズ
『サーフズ・アップ』
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東芝EMI
発売中
CD
TOCP-65566
¥2,548(税込)

ブライアン・ウィルソンの不調、そして売り上げの低迷を乗り越え71年にリリースされた本作は、そのような状況下でも彼らの底力と才能をシーンに示した充実した内容。本来『スマイル』に収録される予定だった「サーフズ・アップ」、そしてブルース・ジョンストン作の名曲「ディズニー・ガールズ(1957)」など聴き所満載。

ビーチ・ボーイズ
『アン・アメリカン・バンド』
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コロムビア
ミュージックエンタテインメント
発売中
DVD
COBY-91035
¥3,990(税込)

かつてVHSとLDでリリースされ、その後長らく廃盤だった作品をDVD化!ビーチ・ボーイズの結成から84年までを追ったヒストリー映像の決定版としてファンに支持され続けている、入門編としても最適な作品。数々の貴重ライヴ映像、そしてメンバーの証言、幻のアルバム『スマイル』に関する映像など、ファン必携の内容!

ザ・ビーチ・ボーイズ
『エンドレス・ハーモニー』
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東芝EMI
発売中
DVD
TOBW-3030
¥5,800(税込)

カール・ウィルソンが亡くなった直後の98年に制作されリリースされた本作は、『アン・アメリカン・バンド』と並んで称される優れたドキュメンタリー作品。ビーチ・ボーイズの結成から98年までを追い、貴重な映像も多数あり。しかもDVD化に際して「フレンズ」のPVなどレアなボーナス映像も追加された、ファン必見の1枚。

ザ・ビーチ・ボーイズ
『グッド・ヴァイブレーションズ・ツアー』
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ビデオアーツ
発売中
DVD
VABS-0018
¥3,990(税込)

米NBC TVで76年8月に放送された「The Beach Boys−It's OK」を収録した本作は、76年7月3日、カリフォルニアのアナハイム・スタジアムで行われたライヴ映像を中心に、メンバーやヴァン・ダイク・パークスら関係者の証言を織り交ぜて構成されたドキュメンタリー作品。76年当時の彼らの姿を伝える興味深い内容だ。

ブライアン・ウィルソン
『オン・ツアー』
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ビデオアーツ
発売中
DVD
VABJ-1118
¥4,935(税込)


2回の来日公演を成功させ、「スマイル・ツアー」も大成功のブライアン。最近は精力的にステージを展開している彼の、99〜00年にかけてのツアー映像を中心に編集したのが本作。貴重なライヴのリハやバック・ステージの様子、そして日本でのオフ・ショットなども満載した充実の内容で、ブライアンの姿が浮き彫りに。

ブライアン・ウィルソン
『ペット・サウンズ・ツアー』
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東芝EMI
発売中
DVD
TOBW-3169
¥4,300(税込)


本作は2002年1月に行われた「ペット・サウンズ・ツアー」の映像を編集したもので、今や年代を超えて広く愛聴されているビーチ・ボーイズの66年の名盤『ペット・サウンズ』を、ライヴで再現。来日公演を見られた方は勿論、未見の方にもお薦めしたい充実した内容。楽曲の素晴らしさとバックの演奏の妙技に感激!

V.A.トリビュート・トゥ・
ブライアン・ウィルソン
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コロムビア
ミュージックエンタテインメント
発売中
DVD
COBY-91071
¥2,940(税込)

新たに書き下ろしライナー付廉価版で再発の本作には、2001年3月29日、N.Y.ラジオ・シティ・ミュージック・ホールでのトリビュート・コンサートを収録。ポール・サイモン、ジミー・ウェッブ、エルトン・ジョン、ビリー・ジョエルらが次々登場しブライアン作品を披露、最後にはブライアンも出演という感動のステージ。

【ブライアン・ウィルソン 日本オフィシャルサイト】http://wmg.jp/artist/brianwilson/

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