ASIAN KUNG-FU GENERATION

SPECIAL SELECTION

ASIAN KUNG-FU GENERATION

ヒット・シングル「サイレン」「ループ&ループ」「リライト」「君の街まで」
の4曲を含む、話題沸騰の待望のセカンド・アルバム!!
これでASIAN KUNG-FU GENERATION旋風は、最高潮に!

(初出『Groovin'』2004年10月25日号)

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 良い音楽との出会いは、いつも突然だ。それはちょっと恋愛に似ている。気にも留めていなかったクラスメイト、同僚、すれ違うだけの彼女が、ふとしたキッカケで段々と気になり始めて、彼女のことで頭の中がいっぱいになっていくような感覚。昨年11月の1stアルバム『君繋ファイブエム』リリース以降、音楽専門誌以外の雑誌でも目にする機会が多くなってきた彼ら。ボクは、ヴォーカル&ギターの後藤正文の持つギター、ギブソンのマローダーが気になって気になって仕方がなくなってしまった。あの何ともいえない独特のフォルムに、まず目を奪われてしまったのだ。まさにこれが恋のはじまり。そんな中での「サイレン」「ループ&ループ」の2ヶ月連続リリース。これで完全にノックアウトされたのだ。フォーリン・ラヴ。まあ、つまり良い音楽も恋愛も突然のタイミングでやってくるってことで。
 さて、こんな感じでアジカンに恋愛中のボクですが、まずはやっぱり旧譜の買い揃え(基本だよねっ)、そして音楽専門誌等でのインタヴュー・チェックに、公式HPの後藤正文日記を日々チェック。さらには彼らのサウンドの秘密を分析するべくスコアを買い、楽曲コピーと研究…などといった感じで、半ばストーカー的な勢いなわけです…。そんなことをボクがしている間に彼らは、前述の「サイレン」そして「ループ&ループ」(4月&5月リリース)に続き、8月に「リライト」、9月に「君の街まで」と立て続けにリリースするのでした。これらシングルは、それまでの路線上にありながらも何かが違う。それは「これこそがアジカン・サウンド」というべき唯一無二のサウンドを確立させたという彼らの、自信とテンションを感じるに他ならないからだ。また、各シングルのリリースの合間にはワンマン・ツアーや、自主企画イヴェント、十数本におよぶ夏フェスへの出演と、北は北海道から南は沖縄までライヴに次ぐライヴの連続であった。
 この一連のシングル・リリースとライヴは、まだほんの始まりに過ぎず、それらはすべてこの2ndアルバム『ソルファ』のための過程であったと言えるのではないだろうか。そう、それだけ本作はアジカンの自信に満ち溢れた最高傑作であり、2004年の音楽シーンを代表する作品の1枚とも言えるからだ。前述のシングル4曲をもちろん収録した本作は、1曲目の「振動覚」から一気にアルバムの世界に引き込まれる。そして、2曲目の「リライト」への流れが圧巻で、鳥肌が立つほどのカッコよさ。さらには、プールに出現する巨大ザリガニのPVが印象的なポップ・キラー・チューン「君の街まで」と続き、もうこれだけで大満足だ。アジカンというとギャンギャン泣き叫ぶギターというイメージがあるが、本作はこれまで以上にアグレッシヴにギャンギャンと泣き叫んでいて、ライヴで盛り上がること必至のナンバーが目白押しだ。それは、11月から12月にかけての2度目のワンマン・ツアーで是非体感して欲しい。とはいえ、チケットは一瞬にしてソールド・アウトしてしまったが…。チケットが手に入らなかった人は、ひとまず本作と11月26日発売のクリップ集『映像作品集 1巻』(DVD)で彼らの音楽を楽しもうぜぇ!!
 とまあ、ボクが恋をしちゃっているアジカンについてツラツラと書いてしまったわけですが、今後はもっともっと彼らに恋をしてしまう人が多くなっていき、ライバルも多くなることだろうけど、ボクの恋は彼らのサウンドと共にさらにヒート・アップすること間違いなしさっ!!

Text by 常盤安信(横須賀佐原店)

『ソルファ』
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Ki/oon Records
発売中
CD
KSCL-737
¥3,059(税込)

シングルを4枚リリースし、夏には十数本の夏フェスに出演し、アジカンの名を全国の音楽ファンに知らしめた2004年。その集大成的な作品となるのが、待望のセカンド・アルバムである本作。これまで以上にアグレッシヴな音で、唯一無二のアジカン・サウンドを確立させた最高傑作!

【ASIAN KUNG-FU GENERATION オフィシャルサイト】http://www.asiankung-fu.com

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