RIP SLYME

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RIP SLYME

個性放つシングル3作を続々とリリースした2004年、
いよいよ今年を総括するべく4thアルバムをリリース!
4人の安定したMCと探求心旺盛なトラックのコラボレーション、とくと堪能せよ!!

(初出『Groovin'』2004年10月25日号)

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 「ホッ」としながら「ニヤッ」としてしまう、妙な充実感…RIP SLYMEの新作を聴く度に何時も感じる。異色の4人が放つ絶妙なリレーMCとDJ FUMIYAの音遊びの妙がひしめくトラックは今や文句無し、日本にHIP HOPカルチャーを根付かせた第一人者としての存在感は何時もながら圧巻。その上、完成度の高い楽曲に止まらず、更に遊び心を施すから彼らへの興味は尽きない。時折この予測不可能なベクトルに戸惑う事もあるが、結局のところ彼らの小気味よいテンポの良さに魅せられてしまうのである。しかしそういった良い意味での裏切りを、次第に聴き手も期待しているのではないだろうか?予想をはるか上回る"期待通り"の裏切り、でもこの奔放さこそが「RIP SLYMEらしさ」なのだと思う。しかもこの裏切りは決して一方通行ではなく、ちゃんと新たな魅力の一面として受け止められる"説得力"を持つ。そして必ず聴き手を満足させてくれる。まさにエンターテイメント魂が漲る本気のもてなしだが、彼らは見えない部分の努力は一切匂わせず、あくまでもマイペースな(しかもユル〜い)ムードで包み込む。むしろどこか余裕すら漂わせている。そう思うと彼らにしてみれば、もてなしなんてたいそうな事ではなく、音楽に対するリスペクトと自らが楽しむ事で生まれる自然な行為なのかもしれない。
 そんなRIP SLYMEの2004年は、前作より約9ヶ月ぶりとなるシングル「Dandelion」(3月発売)で幕開けとなった。RIP SLYMEのリリースで9ヶ月もの間が空くのは珍しく、それだけに誰もが期待する中でのリリースとなった。しかし高まる聴き手の思いを横目に、フワフワとたんぽぽの綿毛のごとく、ゆるやかに、穏やかに彼らは現れた。軽快に交わされるリレーMCと春らしいほのぼとしたトラック。生楽器を取り入れたメロディックなサウンドは、今までが打ち込み主体だっただけに実に新鮮に感じた。続く7月にリリースされた「GALAXY」は、まさにタイトル通り、銀河の果てまで飛んでいきそうな、キュートなパーティー・チューン。彼らのお祭り魂が騒ぐ"舌好調(あえて)"なMCとディスコ調のファンキーなトラックが印象的だった。そして先日リリースされた「黄昏サラウンド」は、前2作とはまた異なった質感を持つミディアム・ナンバーとなった。生楽器の音をより全面に出し、アコギで響かせるアルペジオが初秋の哀愁漂うムードを演出。パーティーを楽しみたい反面、どこかもどかしさを抱えた複雑な心情を切々と歌い上げていた。
 シングル3作だけでも、こうしてそれぞれが際立った存在感を放っていた訳だが、いよいよ2004年を総括するべく4thアルバム『MASTERPIECE』を11月3日に発売する。まぁ、これだけの多彩なシングルを思えば、ヴァラエティに富んだ仕上がりなのは言わずもがな。そしてこの予想をはるかに超える期待通りのお楽しみもある事だろう。文字通り過去最高の「傑作」となるであろう本作、その辺りの詳しい内容は、すみやオリジナルの『Groovin'』別冊で是非ともお伝えしたいところ。発売日に合わせて店頭で配布となるので、お見逃し無く!!

Text by 浜田幸子(編集部)

『MASTERPIECE』
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ワーナーミュージック・ジャパン
11月3日発売
CD
WPCL-10140
¥2,940(税込)

ほのぼの春らしい「Dandelion」、ファニーなムード香る「GALAXY」、初秋の哀愁漂う「黄昏サラウンド」と個性的なシングルをリリースした2004年、いよいよ4thアルバムをリリース。当然ヴァラエティに富んだ仕上がりなのは言わずもがな。初回盤は特典満載、お買い逃し無く!

【RIP SLYME オフィシャルサイト】http://www.ripslyme.com/

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