福山雅治

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福山雅治

約1年ぶりとなる福山雅治の最新シングルは、
NHK朝の連続テレビ小説「わかば」主題歌と本人出演のポカリスエットCM曲の両A面。
いずれもすでにオンエア中。待望の完全版がいよいよリリース!

(初出『Groovin'』2004年11月25日号)

福山雅治-A.jpg 今秋から始まったNHK連続テレビ小説「わかば」は、95年の阪神・淡路大震災で父を亡くし、神戸から母の実家である宮崎県へ移り住んでいた主人公が、大学卒業後再び神戸へ戻り、さまざまな人たちと関わりながら造園家として成長していくドラマ。スタートから約2ヶ月、物語にも登場人物にも愛着がわいて、主題歌を歌う福山雅治の声も、お茶の間の朝には欠かせないほど定着してきたが、震災時、偶然仕事で大阪にいたという彼が、98年のツアーの初日の公演場所に神戸を選び、その6年後の今年、こういった形で再びの共演を果たしたことは、おそらく偶然ではないだろう。
 連続テレビ小説は昔から、主人公(そのほとんどが女性)の成長と周りの人々とのつながりを強く描いていて、見ているこちらも一緒に一喜一憂できる、人間らしさに溢れたものが多い。そして福山雅治という人を思い浮かべる時、そこにもまた、たくさんの人たちとのつながりと人間らしさを思わずにはいられない。長く続いている自身のラジオ番組での爆裂トークの数々や、工場長を務めたテレビ番組でのゲストとのやりとり、さらにはカメラマンとしての活動などを見てもそれは明らかだろう。いかなる場の空気をも和ませ、相手の良さを導き出す会話をする。飾らない言葉や表現の数々からは気さくな人柄がうかがえる。最近では、アテネオリンピックを取材し、選手の撮影はもちろん個々へのインタヴューにおいて、彼らしい視点で話をしていたことが記憶に新しい。そしていよいよ、約1年ぶりの新作がリリースされる。
 両A面の1曲、「泣いたりしないで」は、彼が「わかば」の主題歌として依頼を受けて書き下ろした楽曲。今までになく渋い、ジャジーなバラードで、「泣いたりしないでこっちへおいでよ」と歌い出す低音のヴォーカルにドキッとさせられる。曲の大半がヴォーカルとギターだけというシンプルな構成で、それだけにじっくりと耳に入ってくる。主題歌として流れているのは一部分だけだが、歌詞にも彼らしいテイストが溢れているので、そちらもじっくりと味わってもらいたい。
 そしてもう1曲は、この秋からヴァージョンも新しくなったポカリスエットCM曲で、「泣いたりしないで」とは対照的なロック・チューン。ヴィヴィッドなサウンドが強く耳に残る。CMではサビ部分しか聴くことができないので、こちらもじっくり楽しんでもらえるハズだ。
 そんな「1枚で2度美味しい」最新作からは、誰かを思いやる気持ちの尊さと、そこから生まれる、人間の真の強さまでもを感じることができる。併せて福山雅治の、表現者として、またひとりの人間としてのさまざまな表情も見ることができる。改めて、彼が長く、幅広い支持を受け続けることを納得できる好作品だ。

Text by 二宮万里(編集部)

『泣いたりしないで / RED×BLUE』
福山雅治-J.jpg




ユニバーサル J
12月1日発売
Maxi Single
UUCH-5071
¥1,260(税込)

前作MAGNUM SINGLE『虹/ひまわり/それがすべてさ』より約1年ぶりとなる待望の19thシングル。NHK連続テレビ小説「わかば」主題歌と、本人出演のポカリスエットCM曲の両A面。じんわり染み入るバラードとハードなロック・チューン。いずれも福山らしく味わい深いナンバー。初回プレス分のみ特殊パッケージ。

『NHK連続テレビ小説「わかば」オリジナル・サウンドトラック/服部克久』
連続テレビ小説わかば-J.jpg




ユニバーサル J
12月1日発売
CD
UUCH-1059
¥2,625(税込)

物語をよりいっそう盛り上げる、「わかば」のあらゆる場面を彩るさまざまな曲を収めたサウンドトラックが、福山雅治による主題歌「泣いたりしないで」のシングル・リリースと同日発売。手掛けるのは服部克久。福山がこのドラマのために作曲した楽曲も収録した、劇伴オリジナル・サウンドトラック盤。

【福山雅治 公式サイト「ましゃまろ出版」】http://www.amuse.co.jp/fukuyama/mashamaro-shuppan/

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