LADYBUG

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LADYBUG

多感な心に揺らぎながらも、ポジティヴな思いを忘れない強さ…。
日常の視点から綴る飾らない言葉が、笑顔と勇気を届けてくれます。
LADYBUGからの"ラブレター"、じっくりと読んで(聴いて)下さい!

(初出『Groovin'』2004年11月25日号)

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 ここ数年「最近の若者は…」と平気で口にする様になってしまった。しかもごくごく自然に…(まぁ、口にしてもおかしくない年齢ではあるのだが)。年齢を重ねると、何事においても徐々に腰が重くなり、妙に意固地になってしまう。自分の辞書に無い新しいものに対する警戒心といったら、まるで鎧の様なカタブツっぷり。しかし、これってとても悲しい事だ。「拘り」という言葉で括れば、そりゃ響きは良い。だけど「最近の若者は…」という言葉は、若者の価値観を受け入れない、大人のダサく頑固な「逃げ文句」。確かにこの先、的は狭まる一方かもしれない。けれど、その中でも新しいものを取り入れる柔軟な心は持ち続けたいものである。ファッションなどは異次元であっても、とかく音楽においては生業という以前に、いちリスナーとしてこの思いは強い。
 …書き出しから頭でっかちになってしまったが、そんな悲しくも理屈に絡まった私を、少しだけほどいてくれるバンドに出会った。それが今回ご紹介するLADYBUGである。メンバーは、成田喜秋(Vo&G)、赤嶺裕樹(Vo&G)、笹川厚(B&Cho)、西野友朗(Ds)の4人。1999年に結成、以降都内や横浜を中心にライヴ活動を行う中、シングル、アルバムを各1枚リリース。昨年においては、アルバムを引っ提げての全国23ヶ所のライヴ・ツアーも敢行、目覚ましい活動を続けてきた。そして今年6月、『FLASH』でメジャー・デビューを果たす。失った恋に傷つき、もだえる心を切々と歌う繊細なバラード・ナンバーに続き、10月にリリースされた2ndシングル『声』では、歌い、奏でる事の喜び、届けたい熱い想いを力の限り体現。よりバンド・サウンドを強く打ち出し、ツイン・ヴォーカルの美しいハーモニーを響かせた。そして、いよいよ待望のメジャー1stアルバムとなる『ラフレター』がリリースとなった。
 彼らに惹かれた第一の理由として、直球で心に伝わる琴線だったという事。あれこれ頭で分析するクセはどこへやら、明快でポップなビートに懐かしさを感じながら、サウンドの節々から溢れるポジティヴな思いに胸が熱くなった。24歳が綴る日常の飾らない言葉の数々は、過ぎ去った自分には青臭く、どこか気恥ずかしくも感じたが、拭いきれない焦燥感を吐露しながらも、決して諦めず未来へと希望を馳せるピュアなサウンドが新鮮に感じ、強烈に印象に残った。気付けばその感情を抱え突っ走っていた時代へとタイム・トリップ。同世代にはリアルに響き、その上の世代にも、きっと忘れかけた原動力を呼び起こすはず。そしてツイン・ヴォーカルというところも、彼らの注目すべく魅力の1つ。バンド・スタイルで力強い存在感を表現しながら、成田と赤嶺の滑らかな歌声が、繊細かつ美しいハーモニーを紡ぎ出し、絶妙なヴァランスで稀少かつ個性豊かなサウンドを作り上げている。
 理屈抜きで心に響いた音…それは日だまりの様に温かく、キラキラと輝く。この無垢なキラめきに触れた直後、少し照れながらも笑顔で空を見上げた事を鮮明に覚えている。ザラついた(rough)焦燥感と闘いながらも、笑顔(laugh)と勇気を届けてくれた『ラフレター』、それは彼らの愛情がたっぷりと綴られた"ラヴレター"。是非とも彼らの想いを、じっくりと読んで(聴いて)みて欲しい。

Text by 浜田幸子(編集部)

『ラフレター』
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バップ
発売中
CD
VPCC-81493
¥3,000(税込)

LADYBUGが、待望の1stアルバムをリリース。力強いバンド・サウンドとツイン・ヴォーカルで紡ぐ繊細で美しいハーモニーが、個性豊かな楽曲を作り出す。焦燥感を吐露しながらも、サウンドの節々から溢れるポジティヴな思いに勇気付けられる。シングル「FLASH」「声」を含む全12曲。

【LADYBUG 公式サイト】http://www.vap.co.jp/ladybug/

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