安良城 紅

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安良城 紅

アメリカン・スピリットの父を持ち、日本魂の母を持つ才色兼備の安良城 紅。
満を持してリリースする3rdシングルは、ドラマ「黒革の手帖」エンディング曲。
「強い女」をイメージした、情熱的なナンバーに仕上がりました!

(初出『Groovin'』2004年11月25日号)

安良城 紅-A.jpg 今回紹介する安良城紅は、父はアメリカ人、母が日本人のハーフだ。また、彼女の生い立ちもそれと同じく、日本とアメリカの生活を半々くらいにしてきた今までにいないタイプの新人で、日米ハーフというだけでも注目を浴びるところだが、まずは彼女の歌唱に対する姿勢やポテンシャルを探ってみよう。
 よく観るテレビは「MTV」「BET」、よく見る雑誌は「XXL」「Vibe」「Seventeen(米版)」。憧れのアーティストはアリシア・キーズやジャネット・ジャクソン、宇多田ヒカル、クリスティーナ・ミリアン、Nas、R・ケリー。好きな言葉は「Foreal?(マジ?)」と、アメリカ文化が浸透したR&Bの好きな今どきの好奇心溢れるティーンだ。また、「生まれ変わるなら絶対男!女は大変だから」と、なかなかさばさばした印象を受ける性格をしているようだ。デビュー前、avexで資料として回覧されたデモ・レコーディング・ビデオを見た制作部の誰もが、彼女の持つ異質な「素材性」に注目したという。何よりの特徴は、透き通るような美しい声と、ネイティヴ・アメリカン・ナンバーをいとも容易く歌いきる能力。さらには日本最大のコンテスト「国民的美少女コンテスト」出身といった、新人としては稀なスターへの可能性を秘めた逸材であった。  
 そんな彼女は、2004年6月にテレビ朝日系ドラマ「霊感バスガイド事件簿」主題歌となった「Harmony」でメジャー・デビュー。キャッチーなポップ・サウンドでリスナーの支持を得た。そのカップリングでは、あのデスチャもカヴァーの経験のあるビージーズの名曲「Emotion」を見事にカヴァーし、リスナーの耳にはネイティヴそのものの英語力が伝わったはず。その後、10/20には前作とは一転して、リズム感溢れるダンサブルなナンバー『Infinite...』をリリース。この曲では彼女自身もダンス・パフォーマンスを披露するなど、色々と隠し武器を持っていることがうかがえる。そして遂に"3度目の正直!(別に失敗はしていないが)"、彼女の命運をかけた3rdシングルの発売である。この曲は今秋から始まったドラマ松本清張「黒革の手帖」のエンディング・テーマという立派なタイアップもつき、1stと同じくサウンド・プロデューサーは、朝本浩文氏。作詞はデビュー当時より彼女の曲を手がけてきた気鋭の新人作家JUSME氏。曲の内容は、ドラマの世界観を強く意識して作られた為、彼女にとってはちょっぴり背伸びをするような大人の歌だが、今回も怯む事無く堂々と歌いきっている。
 最近はUtadaの海外デビューで賑わう音楽事情だが、生粋の日本人が海外で活躍する姿は、大リーグのイチローと同じくして国内にいる私たちに勇気と希望を与えてくれる。それならば、国内でもそういった逆のことがあってもいいと思う。真逆ではないにしても、安良城紅の血統や人生から訴えてくるアメリカン・スピリットと日本魂の融合は、ムーヴメントを起こすに違いない。海外に羽ばたき活躍する大物アーティストに対し、この日本国内でアメリカと日本の音楽シーンの融合(深くはR&BとJ-POPの融合)を促す存在になることを期待したい。デビューから3作目、いよいよ頭角を現してきた安良城 紅。その道を貫いて、輝かしい栄光を掴むまで突っ走って欲しい!!

Text by 野呂宏良(伊勢原店)

『Here alone』
安良城 紅-J.jpg




avex trax
発売中
Maxi Single
AVCD-30673
¥1,050(税込)

ドラマ松本清張「黒革の手帖」のエンディング・テーマ曲。その世界観を強く意識して作られた事もあり、自立した強い女性をモチーフにした大人の雰囲気が漂う。英語詞を完璧に歌いきる歌唱力は圧巻。また彼女の斬新なファッションやポジティヴなスタイルにも注目して欲しい。

【安良城 紅 OFFICIAL SITE】http://www.benibenibeni.com/

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