スネオヘアー

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スネオヘアー

斜に構えた印象を拭い去る直球のサウンドで攻めたシングル3作を経て
待望の3rdアルバムをリリース!
スネオの"音の変化球"、とくと受け止めて欲しい!!

(初出『Groovin'』2004年12月25日号)

スネオヘアー-A.jpg スネオヘアーの"やさぐれた"感じが好きだ。斜に構えた風体、笑顔もニッコリというよりは、ほくそ笑む感じ。昼の12時にテキパキ行動!というよりは夜中の2〜3時にゴソゴソ…、お洒落なカップでハーブ・ティーというよりは、湯飲みで焼酎……と想像は尽きないが、どうも洗練されたイメージは少ない。そして彼の作る音も、アングラな部屋で自分の満足ゆくまで黙々と音を組み上げたのだろうか、イマイチ大衆性に欠けるアウトローな音が目立っていた。だが、万人受けだけが良質ではないと思う私には、そんな真摯な職人業と言葉少ない彼の素朴な印象に魅力を感じていた。
 しかし6thシングル「ヒコウ」以降、徐々に変化が。引きこもった印象から、突如彼は外へ飛び出し走り始めた。歪んだギターが悲しみと焦燥感を見事に表現した疾走感溢れるロック・サウンドは衝撃だった。しかもまどろみが浮遊するストリングスは今まで通りの印象として彩りを添えた。7thシングル「ストライク」では、タイトル通りの直球ド真ん中の爽やかなサウンドを届けてくれた。ポジティヴな空気が穏やかなメロディーを呼び、不器用な様も素直に言葉に表現したりと、過去とのギャップの大きさに愛しさが増した。そして8thシングル「テノヒラ」では、軽快な8ビートを効かせたポップ・ロックを披露。ポジティヴ・マインドは今や全開、爽快なサウンドに自然と笑みがこぼれた。
 そんなスネオ・マジックに踊らされっぱなしの中、遂に3rdアルバム『フォーク』がリリースされた。前述のシングル3作を含む全11曲、従来の宅録の質感もあれば、外に発信したキャッチーな楽曲もありと、どれもスネオ職人の渾身作ばかり。どんなアレンジでもメロディー・メイカーの変わらぬポテンシャル高さを実感出来るはず。中でもスキップしたくなるような「会話」は、スネオ史上最高の愛らしさを放っているので注目して欲しい。
 ちなみに本作のタイトル、「ストライク」の後もあり、野球の"フォークボール"を連想した。フォークボールは、人差し指と中指の間に球を挟んで投げる変化球の事。なるほど、確かに過去と現在の変化に驚いたし、強烈な印象をストンと落とし込まれた。見事な変化球、しかも投げたスネオの手は…ピース・サイン!? くぅ〜やるねぇ、スネオヘアー!

Text by 浜田幸子(編集部)

『フォーク』
スネオヘアー-J.jpg



Epic Records
発売中
CD
ESCL-2610
¥2,500(税込)
※期間限定特別価格

スネオヘアー、待望の3rdアルバムをリリース。シングル「ヒコウ」「ストライク」「テノヒラ」を含む全11曲。斜に構えた雰囲気とは裏腹に、彼から発信される音はピースで温かいものばかり。そんな不器用な人間臭さにホッとします。スネオの不器用な優しさ、感じて下さい。

【スネオヘアー Official Site】http://www.suneohair.com/

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