中島美嘉

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中島美嘉

別れと旅立ちの季節に贈る、中島美嘉からのメッセージ。
移りゆく季節と恋人たちの情景を鮮やかに描写した、優しく、そして切ない
ハート・ウォーミング・バラードの大傑作!!

(初出『Groovin'』2005年1月25日号)

中島 美嘉-A.jpg かつてこれほどまでに新作への期待を抱かせるアーティストが存在しただろうか。テクノ、JAZZ、さらには叙情的な唱歌を楽曲に取り入れ、リリースの度に新しいポップスのフォーマットを作り出し、ファンをうならせてきた彼女。常に斬新なアプローチを実践し、新時代の歌姫という地位を確固たるものにしつつある彼女の進化は、そのスピードを緩めることを知らない。
 そんな彼女の2005年、第1弾シングルが完成した。前作「LEGEND」ではドラムン・ベースを大胆に導入し、その最先端のサウンドで、彼女の新しい魅力を強烈にアピールした。そんな前作とは対照的に、本作のサウンドはいたってシンプル。楽曲のリリースのタイミングを図って温められてきたという本作は、中島美嘉の魅力が最大限に引き出され、彼女の新たな代表曲と呼ぶに相応しい、壮大なスケールのハート・ウォーミング・バラードに仕上がっている。そして純粋に歌唱力が問われる「歌」に焦点を合わせた本作のリリースの裏側に、彼女のシンガーとしての成長と自信をも窺わせる。これまでにも「STARS」「WILL」「雪の華」と数々の名バラードを送り出してきた彼女だが、これらの艶やかで、情熱的に歌い上げるバラード・ナンバーとは異なり、本作での彼女のフッと力を抜いた、美しく慈愛に満ちた歌声は、すべてを包み込んでしまうほどに優しく、そして切ない。その比類なき表現力は更にスケールを増し、ピアノとストリングスとハープという、余分な音は一切使わないシンプルな構成に仕上げたことで、美しい歌声と歌詞に込められたメッセージが浮き彫りになっている。「桜色舞うころ」「若葉色萌ゆれば」「枯葉色染めてく」「雪化粧まとえば」と四季の情景を美しく綴りながら、「出会い」と「別れ」を繰り返す恋人たちのうつろいゆく心を、巡りゆく季節になぞって美しく表現している。このあたりは、本作の作詞・作曲を手がけた新進気鋭のシンガー・ソングライター、川江美奈子が実にいい仕事をしている。中島美嘉の存在感からインスパイアを受け、たった1日で作り上げてしまったという入魂の楽曲。日本語のもつ美しさと、温かさ、そして優しさを上手に引き出し、最小限の言葉で紡ぎだされる詩の世界は、聴き手によってさまざまな解釈をすることができる。この美しくはかない恋の物語は、聴き手の数だけ存在するのである。そしてその物語を歌い上げる深い慈愛を感じさせる彼女の歌声は、過ぎ去りし日の切ない想いを呼び起こさせ、聴くものすべての胸を打つことだろう。「桜坂」「さくら」「桜」と、「桜」を冠する曲に名曲と呼ばれるものは少なくない。この「桜色舞うころ」も、きっとこれらの名曲たちに勝るとも劣らない、四季を愛でる日本人ならではの、心を揺さぶる名曲であると断言できるだろう。
 本作によって、シンガーとして大きな成長を遂げた彼女だが、いよいよ3月には待望の3rdアルバムがリリースされる。「SEVEN」「火の鳥」「朧月夜」「LEGEND」そしてこの「桜色舞うころ」が収録されるこのアルバムは、進化し続ける中島美嘉の"現在(いま)"が凝縮された、すばらしい作品であることは間違いない。彼女への期待は、日増しに高まるばかりである。

Text by 池 佐和子

★待望の3rdアルバム、リリース決定!
『MUSIC』
中島美嘉/MUSIC-J.jpg

SMAR
3月9日発売 CD
AICL-1605 ¥3,059(税込)

『桜色舞うころ』
中島美嘉-J.jpg




SMAR
2月2日発売
Maxi Single
AICL-1602
¥1,020(税込)

中島美嘉、2005年第1弾シングル。移ろいゆく四季の情景と恋人たちの心情を鮮やかに表現した「和」のこころを感じさせる美しい歌詞と、包み込むような優しいメロディ…。別れと旅立ちの季節に贈る、ハート・ウォーミングなバラード・ナンバー。[初回仕様]三方背BOX

【中島美嘉 オフィシャルサイト】http://www.mikanakashima.com/

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