ケリー・クラークソン

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ケリー・クラークソン

全米にケリー旋風を巻き起こしてから2年。人生につまずきそうになったら、
アヴリル・ラヴィーンが作曲で参加の新曲「ブレイクアウェイ」を聴こう。
きっと元気になるはず…。

(初出『Groovin'』2005年1月25日号)

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 ここ数年、アメリカのTVではリアリティ番組が話題を呼んでいるらしい。ちょっと前、日本でも「サバイバー」(これもアメリカの番組)が放送されていたが、大枠は一般人が出演し、極限に追い込まれたりしながら、隠された本当の姿をさらけ出すといったもの。一般人ではないにしても、オジー・オズボーンの家族のプライベートに密着する「オズボーンズ」や、ジェシカ・シンプソンの新婚生活に密着するものなどは、MTVなどでも観たことがあるだろう。そんな中、イギリスで放映され、イギリス中が夢中になった番組「ポップ・アイドル」。これは、リアリティ番組の手法でアイドルを誕生させてしまおうという企画。昨日まで隣にいた普通の友だちが、最後にはスターの座に収まるというものである。昔、日本にも「スター誕生」というのがあったが、これはあくまで一発勝負。TVに出てくるのは最後のステージだけである。しかし「ポップ・アイドル」は、最初の段階からカメラが入り、毎回何人ものスターを夢見る若者たちが落とされていく。番組のすごいところは、毎回お題が変わるのであるが、とてもシロウトではたちうちできないようなものなのだ。応募者は、ただ歌が上手くて、踊れて顔が良いだけでは残れない(…ルックスはあまり関係ないかも)。さまざまなジャンルをこなし、JAZZだろうがR&Bだろうが、しっかりパフォーマンスできて、しかも視聴者の心をガッチリ掴まなければならない。そう、誰が選ばれるかは、最終的に一般視聴者の電話投票で決まるからである。
 そんな中、誕生したのがアメリカ版「ポップ・アイドル」である、「アメリカン・アイドル」。自己主張の強いアメリカ人気質を反映してか、ものすご〜くヘタなキャラも登場、辛口審査員たちも歯に衣着せぬ物言いっぷりである(ポーラ・アブドゥルが審査員に名を連ねているのにはビックリ!)。そして、このオバケ番組の初代優勝がケリー・クラークソンである。10週にもおよぶオーディションを見事勝ち抜き、女王になった次の日からスターの座を獲得した、まさにシンデレラである。この後リリースしたデビュー・アルバムは、なんと初登場1位という快挙を成し遂げた。その後も全米でのケリー・フィーヴァーはやまず、今回のアルバム・タイトルである新曲「ブレイクアウェイ」からは、彼女のオーディションの頃のイメージを損なわず、前向きでひたむきな姿を感じることができる。
 この楽曲についてケリーは、「これまでの自分の人生に完全に当てはまる」とコメントしている。これほどまでに、未来に希望を持った詩を表現できるケリーは、とてもピュアな気持ちの持ち主なのだろう。そして強い自信。ショウビズ界の先端とも言える「アメリカン・アイドル」から誕生した歌姫は、ひねくれたマスコミの期待(?)を裏切って、見事に全米中をとりこにした。この2ndアルバムも、全米ではすでにアルバム・チャート上位にランク・インしている。日本での発売の頃には、再びケリー旋風が巻き起こっているかもしれない。

Text by 濱田尚子(すみや本店ソフト館)

『ブレイクアウェイ』
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BMGファンハウス
1月26日発売
CD
BVCP-24059
¥2,200(税込)
※期間限定特別価格

昨年のグラミーにもノミネートされ、ノリにのってるケリー・クラークソンの2年ぶりニュー・アルバム。2月公開予定の映画「プリティ・プリンセス2 ロイヤル・ウエディング」の挿入歌にも決定し、まさに飛ぶ鳥落とす勢い。2ヶ月限定スペシャル・プライス。日本盤にはボーナス・トラックも。

【ケリー・クラークソン 日本オフィシャルサイト】http://www.sonymusic.co.jp/Music/International/Arch/BV/kellyclarkson/

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