サラブレンド

精力的な路上ライヴで人気を集めるサラブレンドがメジャー・デビュー。
東海テレビ・フジテレビ系全国ネット連続ドラマ「冬の輪舞」主題歌 の本作は、
ドラマに華を添える壮大なバラード・ナンバー！

（初出『Groovin'』2005年2月25日号）

　ロック・バンドが元気な昨今、またまたパワフルなロック・バンドがメジャー・デビューを飾った。5ピース・バンド、サラブレンド。桜木町、新宿、大宮などでの路上ライヴを重ね、すでに人気と実力はお墨付きな彼ら。「サラ＝完全なる、純粋な」「ブレンド＝混合、混じり合い」を融合した造語からなるバンド名は、各々メンバーのピュアな要素がうまく混じり合ったバンドになれるように、という願いを込めて命名されたとか。日常の中で誰もが感じる事のある、無垢でひたむきな想いと向き合い綴った叙情的な詩を、サウンドと共にストレートに表現するバンドだ。
　感情を表現する中で、特に「切なさ」をテーマに制作活動を続けている彼ら。今回ご紹介するデビュー・シングル「優しい光」もまた、相手を想う故の切なさ、それでも一途に想う愛情をひしと感じるバラード・ナンバーとなっている。そんな世界観とリンクするように、本作は東海テレビ／フジテレビ系全国ネット連続ドラマ「冬の輪舞」（月〜金曜日13：30〜）主題歌としてオンエア中。「真珠夫人」「薔薇と牡丹」といった大ヒット・ドラマが数多く誕生している"昼ドラの顔"ともいえる枠。今ドラマもまた激しく人間の感情がぶつかりあう愛憎劇が繰り広げられているが、そんなドラマの内容に華を添えるように、前奏からシンフォニックな弦の響きがドラマティックに出迎える。冬のツンとした寒さを彷佛とさせる繊細な弦の響きが美しく、無償の愛を感じながらもただひたむきに「今僕が君に出来ること」を想い、願う切なさがやるせなく迫ってくる。しかしふんわりと包み込む優しい後味が、切なさだけ終わらせない彼らの無垢な思いもしっかり込められているようだ。
　一転、c/w「詠み人知ラズ」はシンプルなバンド・スタイルで奏でるポップ・チューン。ライヴで鍛え上げられた実力も納得のノリの良さと鍵盤の軽快なアレンジが、ライヴの臨場感をそのまま運んできてくれる。この開放感こそ彼らの最大の魅力と確信。デビュー作にしてこの振り幅の広さ、4月にリリースされる1stアルバムも期待出来そうだ。

Text by 浜田幸子（編集部）