サラブレンド

話題の昼ドラ主題歌で華々しいデビューを果たしたサラブレンドが
早くも1stミニ・アルバムをリリース！
切なさに秘めた彼らの熱い情熱を感じて欲しい!!

（初出『Groovin'』2005年3月25日号）

　話題の昼ドラ「冬の輪舞」（東海テレビ/フジテレビ系）の主題歌「優しい光」でメジャー・デビューを果たしたサラブレンド。ドラマは今回も昼ドラ特有の愛憎劇が繰り広げられているが、ドラマの強烈なイメージに押されることなく、彼らは壮大なバラードでその存在をお茶の間に届けた。一見ドラマの内容にリンクした印象を受けるが、彼らの切なくもほのかに温かい後味に、ドラマの明るい結末を願ったり想像する人は多いのではないだろうか？
　そんな華々しいデビューを飾ったサラブレンドが、早くも1stミニ・アルバム『桜ヒラヒラ炎メラメラ』をリリースする。な、何だ？このタイトルは!?シンフォニックなストリングスを響かせたバラードを歌っていた印象を一蹴するタイトルである。"桜ヒラヒラ"は季節的に納得出来るとしても"炎メラメラ"って…。けれどふと思った。もしやこの"メラメラ"は、彼らから沸き立つ情熱なのではないかと。「優しい光」は、ドラマの為に書き下ろされたものであり、テーマに沿った楽曲作りだったようだ。それもまた彼らの新境地を切り開いた事に間違いはないが、これまでの精力的なライヴ活動が実を結んでのメジャー・デビューと思えば、本作の方がより彼らを知るに相応しい作品ではないかと想像は膨らむ。
　そしてその期待に応えるように「優しい光」を含む全6曲の本作は、インディーズ時代の代表曲も新録してのベスト的内容。リード・トラックとなるタイトル曲は、メジャー・デビューを目前に病で倒れ脱退した、元メンバーへの強い思いを込めた応援ソング。悲しみを掻き消すかの疾走するサウンドが胸を突き刺すが、切なさを奮い立たせ前を向こうとする強さを持つ曲である。彼らは特に「切なさ」をテーマに制作活動をしているそうだが、どの曲も切なさに濡れようとも必ずポジティヴな後味がある。その救いの強さも彼らの魅力であり、聴き手に勇気を与えてくれる。
　路上で鍛えた、瞬時に心を掴むメロディーと優しい歌声、そして5人で奏でる多彩な音色。彼らにより迫ったアルバムである事を実感。彼らの切なさに秘めたメラメラと沸き立つ情熱、是非とも体感して欲しい！

Text by 浜田幸子（編集部）