Soul Camp

ARTIST PUCK UP

Soul Camp

沖縄発ヒップ・ホップ・グループ、Soul Camp(ソウル・キャンプ)がメジャー・デビュー!
人なら誰でも思う母親への感謝の気持ちを代弁した本作、
今しか言えない「ありがとう」を届けます!

(初出『Groovin'』2005年3月25日号)

 相変わらずヒップ・ホップ勢が元気なJ-POPシーンである。軽快なビートにのせて歌う字余りな言葉もすっかり認知されている昨今だが、ここ最近少しずつヒップ・ホップの質も変わりつつあるのかなぁと思ったりもする。ブーム当初は高速マシンガンMCが衝撃で、いかに小気味よく韻を踏み、刻むビートに言葉を詰め込むか、メロディーに頼る事なくビートとMCで勝負!的なイメージだった。でも最近は、ケツメイシの「さくら」だったり、はたまたオレンジレンジの「花」と、ロックやポップスにヒップホップが歩み寄ったのか、はたまた逆なのか、メロディーにのったラップを耳にする事が増えた。しかも世間的にも評価は高い。要はジャンルレスに互いの良さを取り込む柔軟な姿勢の結果といったところなんだろうが、シンプルに聴かせるメロディー・ライン、しかもループする展開は非常に耳に残りやすい。そんな変化は、確実に歌モノ好きの拒絶反応を少しずつ紐解いてくれているようだ。
 そんな中、新たなヒップ・ホップ・グループがメジャー・デビューを果たした。それが今回ご紹介するSoul Camp(ソウル・キャンプ)である。メンバーは、半蔵(MC)、KOME(prog)、ナオト(MC)、MORIKI(DJ)の4人で、1998年に地元・沖縄で結成された。ストリートからライヴを始め、多数のイヴェントにも出演、沖縄北谷のクラブで定期的にライヴ活動を行った。その着実な活動が認められ、ZEEBRA、DA PUMP他、多数のアーティストが来沖の際にはオープニング・アクトを務め、2000年には沖縄コンピレーション・アルバムに参加するなど、活動の幅を広げてきた。そして2005年、念願のメジャー・デビューを果たす事となった訳だが、実はデビュー・シングルの「BIG MAMA」は昨年、半蔵の母親が大手術を行い生死を彷徨った際に、母の為に作った曲なんだそうだ。「あなたの愛に包まれ、こんなオレのため その年まで ほんとにありがとう。オレはまだまだ何もしてやれないけど…」「親が子のためならって言うが オレだって同じ気でいるんだ いいか!ほんと頼むから…元気でいて俺たちのBIG MAMA」…人なら誰もが思う母親への感謝の気持ちを素直に綴った心温まるメッセージ・ソングである。ひとつひとつの言葉を噛みしめるように、テンポはゆったりと、メロディーを響かせた仕上がり。随所に施されたアコギで奏でるアルペジオの響きに、よりノスタルジックな思いに染まる。家族を思えばごくごく当たり前の言葉かもしれない。けれど、たくさんの感謝や思いがあるからこそ、今更照れくさくて素直に表現出来ない感情だったりもする…。そんな全ての思いが普遍的な感情であるからこそ、多くの人に共感を得たのだろう。実はこの曲は、すでに地元では話題となっており、沖縄限定で先行発売された際に5000枚を超えるセールスを記録。地元新聞紙でのヒット・チャートでは、オレンジレンジ「花」に次ぐ2位にランク・インするほど。現在も沖縄のFMや有線で、今一番多くオンエアされているそうだ。
 またc/w「素WALKING」は、ファンキーなボッサ・ビートが痛快なナンバー。終始楽しいムードに包まれている。どうやら旬な沖縄からまたまた期待のニュー・フェイスが登場したようだ。この器用な4人組、要注意だ!

Text by 浜田幸子(編集部)

『BIG MAMA』
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ワーナーミュージック・ジャパン
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Maxi Single
WPCL-10183
¥1,000(税込)

すでに沖縄で話題を集めるヒップ・ホップ・グループ、Soul Camp(ソウル・キャンプ)がメジャー・デビュー。メンバーの母親が大病を患った時に作ったという本作、人なら誰もが思う母親への感謝の気持ちを綴った感動の内容。今しか言えない「ありがとう」を届けます!

【Soul Camp 公式サイト】http://wmg.jp/artist/soulcamp/

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