今月はレコ評形式で、前号で取り上げられなかったものも含めて8タイトルをご紹介致します。まずJ-POPSでは、遂に一般ルートで発売されることになったセンチメンタル・シティ・ロマンスの中野督夫さんのソロ・アルバムや再発が進む細野晴臣さん関係、そして既に話題のCMソング集を、さらに洋楽ではリヴィエラやオーウェル等の新作と、サラ・ヴォーンなどのリイシューものも取り上げてみました。気になる作品は是非すみやの店頭でチェックしてみて下さい。品切れなどで店頭にない場合でもお取り寄せできますので、どうぞお買い逃しなく。
Text by 土橋一夫(編集部)
(初出『Groovin'』2005年4月25日号)
中野督夫
『夕方フレンド』
KOWAPPA RECORDS/
夢街名曲堂
発売中
CD
KW・PB-0002
¥3,000(税込)
2003年に制作され、今までライヴ会場や通販でしか入手できなかったアルバムが、遂に全国発売!センチメンタル・シティ・ロマンスでの活動とはまた違ったシンガー・ソングライターとしてのテイストが詰まった、じっくりと大切に味わいたい作品が満載です。参加ミュージシャンも、センチの細井 豊をはじめ、EPO、野口明彦(exシュガー・ベイブ)、五島良子、永井ルイなど豪華!
細野晴臣
『HOSONO HOUSE』
キングレコード
発売中
CD
KICS-1138
¥2,300(税込)
73年リリースのソロ・デビュー・アルバムが、初回盤限定の紙ジャケ&デジタル・リマスタリングで遂にリイシュー!本作の良さは既に色々と語り尽くされておりますので割愛しますが、はっぴいえんど等に興味を持たれた若いリスナーには、特にお薦めします。これは絶対に聴き逃してはいけない作品の1つです。最新インタヴューも掲載されていますので、勉強にもなります。
細野晴臣&イエロー・マジック・バンド
『はらいそ』
SMD
発売中
CD
MHCL-509
¥2,310(税込)
78年にアルファからリリースされた、いわゆるトロピカル3部作の最後を飾る名盤が遂に初回盤限定の紙ジャケ&デジタル・リマスタリングで再発。『トロピカル・ダンディー』『泰安洋行』そして後のYMOへと続く流れを検証する上でも重要なアルバムですが、今聴いても細野晴臣の先見性と実験精神には何より驚かされます。YMOの再発が何かと話題ですが、まずはこちらを押さえましょう。
V.A.
『コカ・コーラCMソング集 1962-89』
ジェネオン エンタテインメント
発売中
CD(2枚組)
GNCP-1005
¥3,990(税込)
これがまさか実現するとは!文字通り60年代から80年代までのコカ・コーラCMソングを集めた本作は、単なるCMソング集としてだけではなく、当時のシーンのサウンド志向も感じ取れる好企画。個人的には84年のムーンライダーズ作品や、フィフス・ディメンションの影響を受けた70年のシンガーズ・スリー参加の作品、それに68年の加山雄三とザ・ランチャーズなどが特に新鮮でした。
リヴィエラ
『アス・トゥギャザー・ナウ!』
PHILTER, Inc.
発売中
CD
PRPH-2077
¥2,520(税込)
美しいメロディ・ラインとハーモニー、そしてポップなサウンドでファンも多いドイツの兄妹デュオ、リヴィエラが待望の新作をリリース。ソフト・ロック色の強かった4thアルバム『ウェイク・アップ・ワンダーランド』の流れを受けながらも、さらに磨きがかかった好作品が満載です。イージー・リスニングからスペクター、王道ポップスまでを見事に昇華させたまさに宝箱のような1枚です。
オーウェル
『アルシペル』
ビクターエンタテインメント
発売中
CD
VICP-63024
¥2,520(税込)
フランス出身のためTahiti80などと共に取り上げられることも多いオーウェルですが、本作『アルシベル』は彼らのキャリアの中でもポイントとなるであろう傑作。特に60年代後半のブライアン・ウィルソンなどの影響を受けたと思われるちょっと捻りの効いたサウンドと美メロは、さすがです。ちなみに黒沢秀樹君はオーウェル好きで、2002年のHOWの『Melody』でストリングスに彼らを起用しています。
ファット・ファンクション
『ユー・アンド・ミー』
NARDIS/夢街名曲堂
発売中
CD
YMMD-1004
¥2,415(税込)
ホーン・セクションを含む8人編成のバンド、ファット・ファンクションが昨年リリースした3rdアルバム。輸入盤は以前からありましたが、本作は国内プレス盤です。ファンクやジャズ・フュージョンなどの影響を受けたサウンドはかなりグルーヴィーで、またヒップ・ホップも取り入れた新しい形が魅力的です。エンハンストCD仕様で、インタヴューやライヴ映像も見られます。
サラ・ヴォーン
『ザ・ニュー・シーン』
ユニバーサル ジャズ
4月27日発売
CD
UCCM-3074
¥1,995(税込)
今や、フジテレビ系ドラマ『不機嫌なジーン』の劇中歌としてお馴染みの「ラヴァーズ・コンチェルト」のサラ・ヴォーンが、66年にニューヨークで録音したのが本作。ビートルズの「ミッシェル」などのカヴァーもいいですが、何と言っても「ドミニクス・ディスコテーク」が最高!ピチカート・ファイヴあたりのサウンドが好きな方は、一度聴いてみて!グルーヴィーな傑作です。