山下達郎

ARTIST PICK UP

山下達郎

それは大切な1日の始まりを鮮やかに彩る、温かみあふれるナンバー。
山下達郎、待望のニュー・シングルは、「めざましテレビ」テーマソング
として既におなじみのあの曲!爽やかに、そして前向きに僕らの心を動かす。

(初出『Groovin'』2005年4月25日号)

山下達郎-A.jpg "山下達郎は僕にとっての理想的なアーティストである"、と今回は珍しく結論から書き始めてみた。理想というのは高いもので、例えばポップ・ミュージックについて考えてみれば、演奏はもちろんのこと、楽曲のクォリティー、アレンジ、そして歌唱力など様々な要素における高い"自分内ハードル"をクリアしてはじめて<良い作品>であり、<良いアーティスト>という形容ができるのである。しかもそれぞれの要素の中のどれかが突出していて、どれかが劣っているというのは、ハッキリ言って好みではない。<メロディーや詞の内容><サウンド>そして<歌唱>の3要素がどれも均等に素晴らしい力を発揮した時に、最も美しいプリズムが描かれるのだ。その点、山下達郎の作品はどれもこれらの要素をしっかりと備えていて、リスナーの側からすれば安心して聴くことの出来る数少ないアーティストの1人だ。しかもどの作品の中にも彼の深い音楽的理解に裏打ちされたキーが隠されていて、それを理解し共感できたときの喜びはファンとしてはひとしおである。だからこそ永年彼の音楽を聴き続けてきた僕にとって、彼のサウンドや作品は決して飽きるものではなく、年を経る毎に益々輝きを増していくのである。冒頭で書いた"山下達郎は僕にとっての理想的なアーティストである"という言葉は、こういった理由から出てきたホントに素直な気持ちなのだ。
 考えてみれば彼がプロとしてレコード・デビューしたのは、アルバム『SONGS』をナイアガラ・レーベルからリリースしたシュガー・ベイブ時代の1975年。よって今年はデビュー30周年に当たる。そしてこの記念すべき年を飾る第2弾シングル「太陽のえくぼ」が、遂にリリースされる。
 本作「太陽のえくぼ」は、そのタイトルが示すとおり、とてもポジティヴな空気に満ちたポップ・ナンバーに仕上がっている。フジテレビ系「めざましテレビ」のテーマソングとして既にオン・エアーされているので、もう耳にされた方も多いだろう。煌びやかなアレンジのイントロに続き、時計の針が時を刻む音にエレクトリック・ピアノ、そして特徴ある達郎節とも言える歌声だけという極めてシンプルな編成に始まり、サビに向けて徐々にサウンドの厚さを増していくこの曲は、朝の爽やかな時間帯を眩しく彩る素敵なナンバー。多重録音によるいつもながらの見事なコーラス・ワークは言うまでもないが、あらゆるところに達郎サウンドの魅力が散りばめられた完成度の高い1曲だ。この中には「太陽」や「光」「陽だまり」「SHINE」といった言葉が登場するが、詞の中には前へと向かう気持ちや温かさ、そして大らかさといったものが込められており、まさに1日の始まりを飾る曲としてピッタリの内容でもある。ちなみに例えばフィフス・ディメンションなどでお馴染みの「Let The Sunshine In」や、オリジナル・サヴァンナ・バンドの「Sunshower」、テルマ・ヒューストンの「Sunshower」(もちろん前出の曲とは同名異曲)、ドノヴァンの「Sunshine Superman」、そしてスティーヴィー・ワンダーの「You Are The Sunshine Of My Life」など、「太陽」や「光」をテーマにした曲に名曲多しというのが僕の持論。そういえば山下達郎の過去の作品も例に漏れず、「夏の陽」や「SUNSHINE -愛の金色-」「MORNING GLORY」「モーニング・シャイン」といった名曲がある。この新曲「太陽のえくぼ」も間違いなく、僕らの心に爽やかに、そして前向きに働きかけてくれる大切な1曲になるに違いない。

Text by 土橋一夫(編集部)

『太陽のえくぼ』
山下達郎-J.jpg




ワーナーミュージック・ジャパン
4月27日発売
Maxi Single
WPCL-10187
¥525(税込)

山下達郎、2005年第2弾シングルは、現在フジテレビ系「めざましテレビ」テーマソングとしてオン・エアー中のあの曲!番組のテーマでもある「太陽」をキーワードに紡ぎ出される美しいメロディーと達郎サウンドは、まさにこれからの季節にマッチした温かく爽やかな世界を描く。完全生産限定盤なので、お早めに!

【山下達郎 オフィシャルサイト】http://www.smile-co.jp/tats/

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