小田和正

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小田和正

昨年、絶大なる支持を得た良質の歌番組「風のようにうたが流れていた」が遂にDVD化!
そして同番組でも歌われた名曲「たしかなこと」も同時リリース!!

(初出『Groovin'』2005年5月25日号)

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 昨年放送された深夜の音楽番組「風のようにうたが流れていた」は、実に興味深い内容だった。素晴らしい演奏をバックに洋邦問わない名曲を小田和正が熱唱する…。音楽通の間で話題となったこの番組は、彼をあまり知らない若い世代に向けても純粋に「名曲紹介番組」として機能したと思うし、僕のような70〜80年代ニューミュージック世代にとっても、時にはゲストを交えて語られるリアルな音楽体験談等、実に貴重なものだった。例えば山本潤子と語る「伝説の1969年第3回ヤマハライトミュージックコンテストの話」や、財津和夫と語る「1985年ALL TOGETHER NOWの舞台裏の話」などは、1人のアーティストが体験した事柄がそのまま日本の音楽史になっていることを確認させられたし、「加藤和彦にサディスティック・ミカ・バンド結成に誘われた話」などの驚愕トリヴィアはかなりのインパクトを与えてくれた。佐橋佳幸らトップ・ミュージシャンを配した完成度の高い演奏をバックに歌った名曲群も実に多彩で、小田和正というアーティストの音楽的バックグラウンドが端的に理解できる選曲だった。また、2人組のオフ・コース時代の名曲「歌を捧げて」に新たな2番の歌詞を付け加え完成版として披露した時や、何度も「ヤス」(鈴木康博)という言葉が出てきた回などは、僕のようなデュオ時代に深い思い入れを抱くファンは胸が熱くなったことだろう。
 そんな「風のようにうたが流れていた」が未放送の楽曲やトークを加え、4枚組DVD-BOXで発売された。「竹田の子守唄」「ゴロワーズを吸ったことがあるかい」「地球はメリー・ゴーランド」「魔法の黄色い靴」「眠れぬ夜」といった錚々たる70's名曲をもう一度聴けるのだから、熱烈なファンならずともこれは買うしかないだろう。
 DVDの話が先行してしまったが、同発でニュー・シングルもリリースされる。「まっ白」から約1年3ヶ月ぶりの本作「たしかなこと」は、明治安田生命の企業CM曲として、また新春ドラマ特別企画『星野仙一物語〜亡き妻へ贈る言葉』の主題歌として既にオン・エアーされている。"「言葉にできない」を超える楽曲を"という依頼に対して見事に答えた、小田にしか作り得ない素晴らしいバラードだ。創作活動の初期で見られた、1人の人間に向けて個人的な愛を歌った曲とは明らかにスケールが違う、"世代への愛"みたいなものを感じさせる詞が胸を打つ。そしてc/wの「生まれ来る子供たちのために」は、小田がその"世代への愛"を初めて声高に主張した1980年リリースのオフコースの名曲をセルフ・カヴァーしたもの。最近では佐藤竹善やBank Bandにカヴァーされたことで、この曲の持つ普遍性が証明された。2曲ともぜひ世代を越えた多くの人に聴いて貰いたいと思う。

Text by 高瀬康一(編集部)

『たしかなこと』
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BMGファンハウス
発売中
Maxi Single
FHCL-7002
¥1,050(税込)

「まっ白」から約1年3ヶ月ぶりのニュー・シングルが登場。「たしかなこと」は明治安田生命の企業CM曲として昨年の5月からオン・エアー中。c/wの「生まれ来る子供たちのために」は1980年リリースのオフコースの名曲をセルフ・カヴァー。2曲とも"世代への愛"を感じさせる詞が胸を打つ名曲だ。

『風のようにうたが流れていたDVD-BOX』
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BMGファンハウス
発売中
DVD(4枚組)
FHBL-1008〜11
¥14,910(税込)

昨年放送され話題となった小田和正初のテレビ・レギュラー番組「風のようにうたが流れていた」が、未公開の楽曲やトークを加えた完全版DVD-BOXで発売。洋邦問わない名曲の数々がクオリティの高い演奏で収録され、音楽ファン必見の内容だ。4枚組ハードケース仕様、豪華50Pブックレット封入。

【小田和正 official website】http://www.fareastcafe.co.jp/

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