ケツメイシ

SPECIAL SELECTION

ケツメイシ

お待たせしました!出ます!出します!4枚目!
「涙」「君にBUMP」「さくら」のヒット・シングル3曲を収録した『ケツノポリス4』、
これはホントに"どんなときも最も望まれるアルバム"になるでしょう!大傑作!

(初出『Groovin'』2005年6月25日号)

ケツメイシ-A.jpg ケツメイシの4thアルバム『ケツノポリス4』は、突き抜ける高い空が気持ちいい「ドライブ」で幕を開け、これぞケツメという必殺の名曲「さくら」で早くも前半の山場を迎える。舞い散る桜を鮮やかに描き出したこの曲は、繊細なピアノとストリングスで繰り返されるフレーズも相俟って、僕らの心を激しく揺さぶる。
 ここ数年、春になると必ずと言っていい程「さくら」に関連した曲がヒットしているが、ケツメイシの「さくら」は、特にその描かれる世界において独特の色を持っている。これまではどちらかと言うと、散っていく桜に別れの情景を重ね合わせて歌う曲が多かった。しかし彼らが歌う世界は、それとは少し違ったものだ。桜の花びらが舞い散るその一瞬を捉え、"君"の不在に心が激しく揺さぶられる情景を描いたこの曲は、もう二度と戻らない"君"を想う刹那を実に見事に描いている。優れた絵や小説、詩でもそうだけど、ある場面の一瞬を捉えたものが見せてくれるのは、過去から未来へと繋がっていく光の道の様なもの。全てのものが繋がって輪になる。そう、一瞬が永遠を描くのだ。「さくら」で描かれた一瞬は、だからこそこんなにも激しく心を揺さぶるんだろう。素晴らしい曲だと思う。改めてここに書くまでもないくらい、早くも今年を代表する1曲として多くの人に愛されている。
 「さくら」舞い散る風の中に佇む僕らの手を取って、アルバムは続いていく。4曲目からの「そばにいて」「上がる」「朝日」では、優しくそして力強く前へと進む一歩を踏み出す僕らの手を引いてくれる。7曲目の「No Lady No Life」は、ダメな僕らをいつも支えてくれるカワイイ女の子たちへ贈る賛歌だ。何かジョン・レノンの「Woman」を想起したりもするけど、そこはケツメイシ、最後の最後でしっかりオトシている。こういうユーモアのバランス感覚もまた、彼らの魅力といえよう。
 そしてアルバムは怒涛のパーティー・チューン3連打に突入する。ライヴで恥ずかしそうにBUMPダンスする女の子がカワイイ「君にBUMP」は、盛り上がりながらもテンション上げっぱなしで暴走しないところがケツメ流。パーティーが終わった後の寂しさを知っている彼らだからこその曲で、小沢健二とスチャダラパーの大名曲「今夜はブギー・バック」にも通じるものがある。ラテンの乾いたサウンドに乗せてひたすら上げていく「ケツメサンバ」や、いよいよ平均年齢30歳を超えた彼らが高らかに宣言する「三十路ボンバイエ」も、7月から始まるライヴが楽しみになる曲だ。
 そしてパーティーが終わり「涙」が流れると、ケツメイシは隣りに座って話し始める。この「涙」は本当に素晴らしい。アルバムの流れの中で聴いた時、実はとんでもない歌だったということが改めて分かった。これはただの別れの歌じゃない。ここでケツメイシは、涙を流すとはどういうことなのかを歌っている。人前で泣くなんてカッコ悪い?そんなことない。溢れ出す感情を抑えることなく、ありのままの自分を見つめよう。そしてまた笑おうと言っている。ホントに感動的だ。そして「涙」を流して「東京」でオトナになった自分を見つめ直し、アルバムはケツメ史上初めてではないかというくらい直接的でメッセージ色の強い「願い」で幕を閉じる。
 僕らは何も無力じゃない。このややこしく混乱した世界を変えていくには、まず"君"にこの歌を届けたい。ケツメイシは僕らの傍にいる。そして笑顔で暮らす事の意味を問い続けている。

Text by 鈴木 篤(すみや本社経営企画室)

『ケツノポリス4』
ケツメイシ-J.jpg




トイズファクトリー
6月29日発売
CD
TFCC-86183
¥3,059(税込)

ケツメイシ、待望の4thアルバムが遂にリリース!早くも2005年を代表する曲となった「さくら」や「涙」「君にBUMP」をはじめ、"音楽、ライフ・スタイル、加齢臭の融合"を目指す彼らの、魅力が今まで以上に高いレベルで結実した全14曲。大傑作です!初回盤はオリジナル・ステッカー封入。

【ケツメイシ 公式サイト】http://www.ketsume.com/

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