平川地一丁目

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平川地一丁目

心身共に成長期真っ只中の兄弟ギター・デュオ、平川地一丁目が
初のラヴ・ソングをリリース!
17歳の兄&14歳の弟の純情兄弟が十六度目のひと夏を描く、リアル・タイム青春ナンバー!!

(初出『Groovin'』2005年6月25日号)

 最近、70年代の名曲をシングル・レコードで集め直しています。MP3をダウンロードする時代に何ともアナログな趣味ですが、うまく探せば、MP3の1曲分の値段とほぼ同じ200円くらいでジャケ&歌詞カード付きで2曲入手できます。先日も、グレープの「朝刊」(さだまさしのポップス的側面が発揮された名曲!)、イルカの「海岸通」(言わずもがな正やんの傑作!)、NORAの「懐しのメロディー」(相沢行夫氏がNOBODY結成以前に参加していたバンドの知られざる佳曲)といったシングル盤を超廉価で入手、家でしみじみ聴いたりしているわけです。
 で、いつも思うことは、こういう曲を今の若い人が聴いたらどう思うのだろうかということ。僕らの世代は過去の様々な記憶が蘇り、懐かしくなったり切なくなったりできるのですが、HIP HOPやレゲエやハウスなどを日常的に聴いている10代にとっては全くもって未知の音楽なはず。やっぱダサいんですかね。
 そんな疑問に、何となく答えみたいなものを与えてくれたのが平川地一丁目の登場でした。父親の影響で日本のフォーク全盛のレコードを浴びるように聴いていたというこの兄弟ギター・デュオの作る歌は、70年代のあの匂いを強烈に放っています。そしてそういう歌が売れているという事実。アルバムがオリコン・チャートTOP10入りしたということは、10代、20代の共感を大いに受けている訳で、70'sフォークの世界が若い世代にも全然OKということの証だと思います。
平川地-A.jpg       さて、そんな彼等の5thシングル「十六度目の夏」がリリースされます。なんでも、今春高校2年に進級し17歳になった兄・龍之介が初めて挑戦したラヴ・ソングとのこと。やっぱり初めての恋沙汰は15歳でも17歳でもなく、16歳が似合うと古今東西相場が決まっているもの。オールディーズなどでもタイトルに年齢が付くのは圧倒的に16歳。「16 Candles」「Sweet Little Sixteen」「Happy Birthday, Sweet Sixteen」「Heartaches At Sweet Sixteen」…。「Sweet」が付くところがミソですね。この「十六度目の夏」も、初デートで海に行くというかなり甘いシチュエーションです。"長い坂道 約束の海岸 君が来るまで セリフの練習" "君を呼びすてに してみたいけど 嫌われるくらいなら 今の「さん」付けでいい"…といった歌詞は、青春をとうに過ぎた自分にはちょっと気恥ずかしい感もありますが、ポイントは17歳の男子がリアル・タイムで書いた詞であるということ。70年代はこういう歌詞をそれこそ40のおっさん職業作詞家が書いていたものですが、平川地の歌詞世界はまさに昨日の体験談かも知れないというリアルな感慨を含んでいます。曲調も、アコギのアルペジオからGS調のヴィンテージ・エレキのディレイの効いたソロと続く冒頭や、爽やかなメロディーが印象的なサビなど、甘酸っぱいミディアム・チューンに仕上がっています。カップリングには大人に向けて歌うメッセージ・ソング「背広姿のエライ人」と、吉田拓郎のカヴァー「夏休み」を収録。そう言えば、ちょうど1年前にリリースされたマキシ『君の分まで』に収録されていた「せんこうの華」について、"拓郎の「夏休み」を思い出させる"と書いたことがあったけど、実際にカヴァーして頂いて嬉しい限り。やっぱりピッタリでした(笑)。

Text by 高瀬康一(編集部)

『十六度目の夏』
平川地一丁目-J.jpg



DefSTAR RECORDS
6月29日発売
Maxi Single
DFCL-1191
¥1,223(税込)

龍之介と直次郎からなる兄弟ギター・デュオ、平川地一丁目の5thマキシは、日本テレビ系「音楽戦士 MUSIC FIGHTER」の7月オープニング・テーマ「十六度目の夏」他2曲収録。初回封入特典は青春十六きっぷ。7/27には2ndアルバム『海風は時を越えて』、MV集『平川地一丁目百科 第一巻』を同時発売。

【平川地一丁目 公式サイト】http://www.hirakawachi1.com/

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